アメリカ競馬の毎年5月1週目の土曜日は特別な日。今年も例年通りに5月にケンタッキーダービーが行われます。
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ケンタッキーダービーの概要
タイトル | ケンタッキーダービー |
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格付 | G1 |
開催国(競馬場) | チャーチルダウンズ競馬場 |
性齢 | 3歳 |
コース | 約2,012m(ダ) |
賞金 | 1着本賞金:186万ドル |
アメリカの人気ナンバーワンレースであるケンタッキーダービー。日本や各国と同じように3歳馬によるクラシックレースですが、その人気はまさにエキサイティング。競馬どころかスポーツ全体でもアメリカ中で人気を集め、「the most exciting two minutes in sports(スポーツの中で最も偉大な2分間)」と称されるほどです。
ケンタッキーダービーの歴史
そんなケンタッキーダービーが創設されたのは1875年。
創設のキッカケとなったのは当時のチャーチルタウンズ競馬場を運営していたメリウェザー・ルイス・クラークの発案によるもの。競馬発祥の地であるイギリスのダービーを模範として創設されました。馬場こそ芝ではなかったものの、当初の距離はイギリスダービーと同じ2400m。しかし、芝ではなくダートで2400mはあまりに距離が長すぎるという理由から1896年に距離が改正され、現在の2000mに。それ以来、距離の変更はありません。
また、イギリスは「種牡馬選定競走」としてクラシックレースを作りましたが、エンターテインメント性が強いアメリカでは「強い馬が出て、強い姿をファンに見せたい」という思いからか、イギリスではNGとなっているセン馬の出走も可能となっています。各国のダービーで比べても、セン馬の出走ができるのは馬産をメインで行っていない香港や競馬後進国の国くらい。競馬先進国ではアメリカのみという異例さ。こうした点もケンタッキーダービーの特徴と言えるでしょう。
また、エンターテインメント性の強いケンタッキーダービーの特徴として挙がるのはダービー当日まで2週間はチャーチルタウンズ競馬場のあるルイビル州が「ケンタッキーダービー・フェスティバル」と称して、毎年のようにお祭りを開催していることも挙げられます。さらに当日もレースをするだけでなく、ミント・ジュレップというカクテルがこの日のみ販売されて親しまれ、さらにレース前には地元ルイビル大学のマーチングバンドによって「ケンタッキーの我が家」が演奏され、観客全員で歌うのが習わしとなっています。
日本のGⅠレース時のファンファーレにコールするのと似ているようですが、その実態は似て非なるもの。これぞアメリカ競馬の最高峰と呼ぶにふさわしいレースとなっています。
そんなケンタッキーダービーの歴代勝ち馬と言えば、名馬の宝庫。日本競馬を塗り替えたと言われる怪物種牡馬であるサンデーサイレンスをはじめ、歴代にはそうした名馬が数多くいます。
90年代からは日本馬も出走するようになり、95年には朝日杯3歳S2着馬であるスキーキャプテンが参戦したり、2000年には日本人オーナー・関口房朗氏が所有していたフサイチペガサスが勝利したりと、日本馬にもなじみの深いレースになっていきました。2016年にはUAEダービーを制したラニが出走し、近年はマスターフェンサーが挑戦して話題になりました。
ケンタッキーダービーの最新ブックメーカーオッズ
ケンタッキーダービーのオッズが発表されている、ブックメーカーの一覧になります。
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ケンタッキーダービーの見どころ
ブックメーカーのオッズで上位人気が予想されるのは、エピセンター、テイバ、ザンドンの3頭です。そして今回は日本から参戦するクラウンプライドについても紹介します。
まずはエピセンター(Epicenter)から紹介します。通算6戦4勝の馬で、ここ2戦、GⅡレースを連勝してきている有力馬です。特に、ケンタッキーダービーの指定ポイントレースである前々走のリズンスターステークス(GⅡ)では好スタートから先手を奪い、直線で追い出されると、後続に約3馬身の差をつける圧勝を飾りました。リズンスターステークスの勝ち馬は、ケンタッキーダービーとやはり相性が良く、昨年の勝馬のマンダルーンが本番でも2着に入ったのを初め、過去の勝ち馬も本番で好走している馬は多数です。また、人気を集めるもう一つの要因として、同じく人気を集めるザンドン(後に紹介)との直接対決で、先着した実績があるということが挙げられます。この馬の強みはやはりその先行力で、スタートが速く完成度が高いことが挙げられます。このレースでも自慢のその快足を披露できるかが見所です。
次に、テイバ(Taiba)を紹介します。この馬は、デビューが今年の3月と、このレースに間に合ったことが奇跡的ですが、高い実力の持ち主です。デビュー戦は短距離のダート1,200mの一戦でしたが、次走では一騎の距離延長となるダート1,800mの一戦でも難なくこなしました。それも、そのレースはGⅠのサンタアニタダービーでしたから、関係者やファンを非常に驚かせました。デビュー3戦目でのケンタッキーダービー制覇は、100年以上出ていませんが、その期待を背負った一頭です。
続いて、ザンドン(Zandon)を紹介します。この馬は、ケンタッキーダービーの前哨戦として重視されるブルーグラスステークス(GⅠ)を制して、今勢いに乗る馬です。それも勝ち方が鮮やかだったため、関係者やファンの脳裏に強烈にインプットされました。道中は最後方を進んでいたものの、ペースが上がる3コーナーから進出を開始し、直線では半ばですでに全頭を差し切る強烈な末脚を発揮しました。ブルーグラスステークスの勝ち馬では、2018年にケンタッキーダービー2着馬を出すなど、最近はクラシック路線とも相性がいいため、この馬も期待の一頭です。
最後に、日本から参戦するクラウンプライドを紹介します。リーチザクラウン産駒のこの馬は、デビュー戦から一貫してダート戦線で活躍してきました。血統的にやや地味であるということもあり、あまり人気を集めるタイプではないので、これまで1番人気にも2番人気にもなったことがないのですが、すでに3勝を挙げています。特筆すべきは今年の3月にドバイのメイダン競馬場で行われたUAEダービーに挑戦すると、6番人気の低評価を覆す勝利を挙げました。UAEダービーには各国からダートの強者が集っていたにも関わらず勝利を挙げたことで、注目を集めました。その実績も加味して今回、ケンタッキーダービーへの挑戦が決まりました。流石にダートの本場のアメリカでのダービーだけに人気はそこまで集めることにはならないでしょうけど、海外遠征も問題ないことがわかりましたし、前走のようにハマればここでも一発がある可能性はあります。日本の代表として是非世界を驚かす結果を出してほしい一頭です。
ケンタッキーダービーは、アメリカ現地時刻の2022年5月7日(土)の18:57、日本時刻では2022年5月8日7:57に発走予定です。1着賞金約2億3千万円を争う、ダートの本場のアメリカの頂上決戦です。日本馬も参戦するこの一戦を、是非馬券を購入して全力で楽しみましょう!
