牝馬ダートグレード競走では、唯一のハンデ戦であり、波乱の決着が予想されるクイーン賞がまもなく開催されます。
クイーン賞2021の概要
タイトル | クイーン賞2021の見どころ |
---|---|
格付 | JpnⅢ |
開催国(競馬場) | 船橋競馬場 |
性齢 | 3歳以上牝馬 |
コース | 1,800m(ダ) |
賞金 | 1着本賞金:2,100万円 |
クイーン賞は、船橋のダート1800mで争われる年の瀬のダート牝馬によるレースです。
この時期の開催ということもあり、1ヶ月ほど前に開催されるJBCレディスクラシックに出走した実力馬が出走することもよくあります。逆に、このレースで活躍した馬が、翌年のTCK女王盃や、エンプレス杯で好走するということが良くあり、翌年の牝馬ダート界を占う一戦でもあります。
出走枠はJRA所属馬が4頭、南関東公営競馬所属馬7頭、その他の地方競馬所属馬が3頭と定められております。このレースで優勝した地方所属馬にはエンプレス杯の優先出走権が与えられ、同じく2着までに入った地方所属馬には、TCK女王盃への優先出走権が付与されることになっております。
このレースが実施される船橋ダート1,800mコースの特徴は、最初のコーナーまでが454mととても長く、最後の直線も308mと、それなりに長い点です。高低差は無く、フラットな競馬場です。レースの傾向としては、最初の直線がとても長く、レースの距離も1,800mと長めのため、先行争いが激しくなるようなことは基本的にございません。先行勢が楽して先行できるため、基本的に逃げ、先行が有利なレースとなっております。あまり紛れのないコースとなっており、人気馬の勝率が高いです。
クイーン賞の歴史
このレースは今年で67回目を迎える伝統ある牝馬限定重賞です。歴史が長いのに、意外なことに開催競馬場及び実施距離が変わっていないという点が特徴的です。
第一回目の開催から40年が経過した1995年から、南関東G3に格付けされました。また、1997年からは統一GⅢに格上げされました。2006年から、このレースの特徴である、ハンデキャップ競争に変更となりました。これは、ダートグレード競走では初めてのことでした。
歴代の勝ち馬には、その後帝王賞や東京大賞典を制することになるファストフレンドや、白毛ということで人気を集めたユキチャンなども名を連ねております。
ここ10年の勝ち馬は、JRA勢が7勝、地方勢が3勝となっております。特にここ2年連続で大井地区所属馬が勝利しています。それぞれ、4番人気、3番人気での勝利でしたので、上位人気のJRA勢を負かしての優勝となっており、地方馬の意地を見せています。特に南関東地区の所属馬の活躍が目立ちます。昨年優勝したサルサディオーネは、今年に入っても地方交流重賞で2勝を挙げるなど、このレースでの勝利を機にブレイクしています。
クイーン賞2021の最新ブックメーカーオッズ
クイーン賞2021のオッズが発表されている、ブックメーカーの一覧になります。
bet365
ウィリアムヒル
1Xbet
参考:netkeibaオッズ
11/28(日) 13:00現在のオッズです。
ブックメーカーのオッズがSPのため、参考までにnetkeibaのオッズを載せます。ブックメーカーでも購入は可能なので、これを参考にブックメーカーで購入されることをお勧めします。
クイーン賞2021の見どころ
ブックメーカーのオッズで上位人気が予想されるのは、地方馬代表のサルサディオーネの他、JRA勢からはリネンファッション、ウェルドーン、エリザベスタワーの3頭です。このレースはハンデ戦でありながら人気馬が勝利を収めることが多いため、この中から勝ち馬が出る可能性がとても高いです。
まずは地方馬のサルサディオーネから紹介します。昨年のクイーン賞の勝ち馬であり、この馬は地方競馬の牝馬の現役最強クラスの1頭です。牝馬で7歳となると衰えが見える馬が大半ですが、この馬は今年になってもダートグレード競走2勝を含む3勝を挙げるなど、まだまだやれるところを見せています。この馬の武器はいいスタートを切って先手を奪い、逃げ切る走りです。ハマると大差をつける圧倒的な勝ち方をすることも多いです。逆に逃げ馬の定めですが、うまく自分のペースに持ち込めなかった場合には、惨敗するようなこともあります。3連勝の勢いで臨んだ前走のJBCレディスクラシックでは強豪相手に3番人気と支持されていましたが、残念ながら少しオーバーペースだったのか、10着に敗れてしまいました。しかし逃げ馬にとって惨敗はよくある話ですし、これまでもこの馬は惨敗後の次のレースで快勝するようなことがなん度もありますので、心配は不要かと思います。今回も確実に先手は取ってくるでしょうから、道中のペースや、その他の先行馬との兼ね合いで、結果を予想することが推奨されます。
続いて、リネンファッションを紹介します。この馬は先日のJBCレディスクラシックで3着に入った実力馬です。まだダートグレード競走では勝利実績はありませんが、これまでJpnⅠを含む3戦のうち、2着2回、3着1回と、後一歩で勝利に手が届くというところまで来ています。キンシャサノキセキ産駒ということもあり、デビュー時は芝競馬を使われていました。デビュー戦を勝利したこともあり、しばらく芝競馬を使われていましたが、思うような結果が出ず、ダートに活路を見出すことになりました。その後は、12戦して3着以内を外すのが2回だけと、抜群の安定感を見せています。一方で、やや勝負弱いところがあり、いつも惜しいところまでは行くものの勝ちきれないというレースが続いていることも事実です。鞍上の武豊騎手とは手が合うようで、常に人気通りかそれ以上の結果を出しているため、今回もその手腕に期待がかかります。
続いて、3歳馬ウェルドーンです。今年の関東オークス(JpnⅡ)を制した実力馬です。ジャパンダートダービーでも牡馬を相手に牝馬最先着の3着に入るなど同世代のダート牝馬の中ではNo.1の力を持っているといっても過言ではない実績を持っています。前走のレディスプレリュード(JpnⅡ)では、その後JBCレディスクラシックを制するテオレーマなど、先輩牝馬の強豪2頭に敗れてしまいましたが、上位馬はこのレースには出走しないため、このメンバーであれば勝利を収める確率は十分にある一頭と考えられます。
最後に同じく3歳馬のエリザベスタワーを紹介します。この馬は今年の牝馬クラシックを沸かせた一頭です。チューリップ賞(GⅡ)を制するなど世代トップクラスの実力の持ち主です。残念ながら桜花賞(GⅠ)では連戦の疲れからか、力を発揮することはできませんでしたが、今回は休養十分のため見直したい一頭です。初ダートという点でも不安はありますが、この馬は馬体も500kg超えと大きく、血統的にも走れる背景はあるため、勝てる見込みがあると陣営が判断したと考えられます。地力は高いだけに、初ダートを克服さえできれば、上位争いが必須の馬です。
クイーン賞は2021年12月1日 20:05に発走予定です。サルサディオーネが地方馬の意地を見せるのか、JRA勢がその実力で打ち負かすのか、注目が集まります。是非馬券を買って応援しましょう!