天皇賞・春に向けた重要な前哨戦の一つである、日経賞が間も無く開催されます。
日経賞の概要
タイトル | 日経賞 |
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格付 | GⅡ |
開催国(競馬場) | 中山競馬場 |
性齢 | 4歳以上 |
コース | 2,500m(芝) |
賞金 | 1着本賞金:6,700万円 |
日経賞は、中山競馬場芝2,500mで行われる四半世紀以上前から開催されている伝統の重賞です。このレースの1着馬には天皇賞・春の優先出走権が付与されます。実際、このレースを制した勢いで、本番の天皇賞・春にも勝利した馬は数多くいます。西の阪神大賞典と双璧をなす天皇賞・春の前哨戦となっています。
このレースの出走枠は、4歳以上の馬のうち、JRA所属馬、地方馬、外国馬にも資格が与えられています。地方競馬所属馬の場合は、1着だけでなく、2着に入った場合でも天皇賞・春の優先出走権が与えられることになっています。
このレースが行われる中山競馬場芝2,500mコースの特徴を紹介します。このコースは重賞では、日経賞と有馬記念でのみ使用されるコースです。スタート地点から最初の1周目の途中までは内回りコースを使用しますが、2周目からは内回りコースを使用します。有馬記念でもお馴染みの通り、このコースは極端に内枠が有利で、外枠が不利な形態となっています。というのも、スタートから最初のコーナーまでの距離が短く、6回もコーナーを回るため、必然的に内枠の馬が経済コースを通ることになるためです。また、最後の直線も310mと短めのため、差しや追い込み馬の成績が奮いません。特に1、2枠が有利であり、この枠に入った逃げ・先行馬を狙うことが推奨されます。逆に6枠より外は成績が落ちているため、仮に人気馬が入ったとしても割引きが必要と考えられます。
日経賞の歴史
このレースは、1953年に創設されました。当初は「日本経済賞」という名称で、中山競馬場の芝3,200mで行われていました。1967年からは現在の2,500mに変更され、1979年からは現在のレース名となりました。1995年からは地方馬の出走が可能となり、2007年からは外国馬の出走も可能となりました。
歴代の優勝馬としては1984年の3冠馬シンボリルドルフが、翌年1985年の始動戦としてこのレースを選び、見事に勝利を挙げてこの年のGⅠ競走3勝に繋げました。その他にも天皇賞・春の前哨戦というだけあり、名ステイヤーの名前が刻まれています。古くはライスシャワー、セイウンスカイ、イングランディーレ、近年でもマイネルキッツやフェノーメノといった個性的な馬達が勝利を挙げてきました。
日経賞の最新ブックメーカーオッズ
日経賞のオッズが発表されている、ブックメーカーの一覧になります。
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日経賞の見どころ
ブックメーカーのオッズで上位人気が予想されるのは、タイトルホルダー、アサマノイタズラ、ボッケリーニ、ヒートオンビート、ディバインフォースの5頭です。アリストテレスも武豊騎手とのコンビで出走を予定しておりましたが、外傷を負ってしまい、残念ながら回避することになりました。
まずは最上位人気が予想されるタイトルホルダーから紹介します。昨年の菊花賞(GⅠ)を制したドゥラメンテ産駒の4歳牡馬です。昨年、弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)や菊花賞を制した時にコンビを組んでいた横山武史騎手とのコンビではなく、前走の有馬記念(GⅠ)でコンビを組んだ兄の横山和生騎手とのコンビ継続で臨む一戦です。有馬記念でもあわや優勝かと思わせるほど、4コーナーでは見せ場十分でしたが、さすがにエフフォーリアやクロノジェネシスなど歴戦の強者には飲み込まれてしまいました。しかし逆に言うとそれらの一線級の馬たちを相手に0.5秒差の5着に入線したことは、この馬も十分に実力をつけていると言えます。デビュー戦、2戦目子そ1,800mのレースを使っていますが、菊花賞や有馬記念で良績を残しているように、距離が伸びて良いタイプのようです。今回の舞台の中山2,500mコースは非常にトリッキーなコースではありますが、前走の有馬記念でも経験していますし、この馬の得意の逃げの形に持ち込めば、むしろ有利に運べる可能性が高いです。不安要素としては鞍上の横山和生騎手の重賞実績ですが、先日もアリーヴォで小倉大賞典(GⅢ)を制するなど、徐々に実力をつけてきています。弟の武史騎手とともにGⅠを制した馬ですが、兄の威厳を是非見せてほしいところです。
続いて、アサマノイタズラを紹介します。こちらに横山武史騎手が騎乗します。昨年のセントライト記念(GⅡ)で9番人気ながら勝利を挙げ、アッと言わせた馬です。この馬の特徴は後方待機からの上がり3ハロンの末脚です。いわゆる追い込み馬です。ハマればどんな馬が相手だろうと追い込みを決めますが、逆に後方のまま終わることもあります。中山2,500mコースは後方待機の馬がとても不利なコースなので、それを覆せるかが見どころです。
次に、ボッケリーニを紹介します。昨年あたりから本格化して力をつけてきている6歳牡馬です。この馬の特徴としては、どんなコースや距離、相手関係でも常に上位争いができるところです。これまで18戦して最低着順が6着と、非常に安定感があります。重賞での勝利実績こそ2020年の中日新聞杯(GⅢ)のみではありますが、必ずと言っていいほど上位争いをしており、相手なりに走れる点が強みです。今回も相手は強化されますが、いつも通りの走りができれば馬券圏内に来る可能性は十分にあります。
次に、ヒートオンビートを紹介します。まだ重賞では未勝利ながら、ここ1年ほど、重賞で毎回上位争いをしている5歳牡馬です。勝ち上がりには時間がかかりましたが、そこから徐々に力をつけて、昨年から重賞戦線に挑戦し始めた馬です。この馬の強みは、毎回良いスタートを決めて、好位に取り付けるところです。そのまま直線でもしっかり追い出せる位置にいて、上位をもぎ取っています。デビュー以来2,000m以上の距離のレースしか使っておらず、長距離適性もとても高いようなので、相手は強いですが一発があってもおかしくはない実力の持ち主です。
最後に、ディバインフォースを紹介します。昨年のステイヤーズステークス(GⅢ)を制した馬です。距離は長ければ長いほど良いタイプだけに、逆に今回距離短縮になることで序盤に置かれてしまわないかが心配ではありますが、馬場が重くなりスタミナが必要となる展開になれば浮上する一頭と考えられます。
日経賞は、2022年3月26日(土)の15:45に発走予定です。天皇賞・春に向けて、有力な一頭が現れる可能性のあるレースです。是非好きな馬の馬券を勝って全力で応援しましょう!