今年のセントレジャーステークスは9月10日(土)の日本時間23時35分にドンカスター競馬場の芝2921mで開催。イギリスのクラシック三冠および牝馬クラシック三冠の最終戦として知られています。
セントレジャーステークス概要
セントレジャーステークスは、ドンカスター競馬場で開催される競馬の重賞(GⅠ)競走である。
レース名 |
セントレジャーステークス |
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格付 | GⅠ |
開催国(競馬場) | イギリス(ドンカスター競馬場) |
性齢 | 三歳牡牝 |
コース | 芝2921M |
賞金 | 賞金総額:65万ポンド |
セントレジャーステークスの歴史
1776年にアンソニー・セントレジャーらによって創設されたセントレジャーステークスは世界最古のクラシックレースとして知られています。当時はヒート競走と呼ばれる「同一の組み合わせの競走馬によって複数回の競走を行うことにより、優勝馬を決定する方式の競走」が人気を博しており、クラシック体系が成立するにつれ、セントレジャーもその中に組み込まれるようになりました。
セントレジャーステークスは日本の菊花賞のモデルにもなったレースであり、今でこそ世界的に長距離の権威が失われつつありますが、当時は早熟性と長距離を走破するスタミナを併せ持つ馬が最上のサラブレッドと認識されていました。そのためセントレジャーステークスはクラシックレースの中で最高の権威を誇っていました。
しかし現代のようなスピード偏重の競馬が全盛となり次第に有力馬の参戦が減少、同時にレベルの低下が顕著になっていきました。日本やアメリカではクラシック三冠が3歳馬の目指すレースではありますが、ヨーロッパでは事実上三冠は形骸化されており、有力馬の多くは秋はチャンピオンステークスや凱旋門賞を最終目標とするケースが増えています。実際に最後に三冠馬となったのは1970年のニジンスキーであり、春の牡馬クラシックを勝利してセントレジャーに臨んだ馬は昨年の優勝馬ハリケーンレーンが2012年のキャメロット以来10年ぶりという珍事でした。
これは牡馬であれば豊富なスタミナを擁するステイヤーは障害用種牡馬となることが多いため、後の種牡馬価値が関係していることも理由の一つです。春にマイルや中距離に適性を見出した素質馬が長距離にも対応してしまうと、スピード<スタミナのイメージがついてしまうのでしょう。
日本でも近年は有力馬が菊花賞ではなく天皇賞・秋を目指すことが多くなりましたが、ヨーロッパ同様よりその傾向は顕著になっていくことでしょう。
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セントレジャーステークスの見どころ
日本の菊花賞のモデルにもなったセントレジャーステークス。菊花賞は三冠レース最終戦として機能しており、昨年は凱旋門賞に挑むタイトルホルダーが戴冠しました。長い歴史を持つセントレジャーステークスもその人気とは別に、中距離に比べて有力馬の参戦が極めて少ないレースと言えます。
今年も有力と見られていたアイルランドダービー馬ウエストオーバーやフランチェスコクレメンテなど上り馬も回避が決定した結果、前売りではゴドルフィン所属のニューロンドンが圧倒的な一番人気に支持されました。
ニューロンドンはドバウィ産駒でここまで5戦4勝2着1回とほぼパーフェクトな成績を収めています。前走ゴードンステークスでは大外から鋭く伸び接戦の様相でしたが、最後はまた突き放して重賞初制覇となりました。
5月のチェスターヴァーズでは優勝馬のチェンジングオブザガードから離された2着に敗れましたが、間隔を空けた後連勝で本命馬として挑むことになります。チェスターヴァーズで敗戦したチェンジングオブザガードはその後イギリスダービーで5着、キングエドワード7世ステークスを勝利しましたがセントレジャーステークスの出走は見送っています。
想定2番人気は同じドバウィ産駒のエルダーエルダロフです。ロイヤルアスコット開催のクイーンズヴァーズで3連勝を飾りました。着差は僅かながらも内容は秀逸で、後方内寄りに位置しながらも直線は外に持ち出し最後は図ったような差し切り勝ちを収めました。
この内容から続くパリ大賞では一番人気に支持されましたが、前走は異なる2番手でレースを進め直線早めに交わされてしまいましたがズルズルとは下がらず4着に終わりました。タイムも比較的早いものだったため、同馬にとってはもう少し時計のかかる馬場が良さそうであることから距離が延びタフなコンディションとなるセントレジャーは合っていると言えます。
3番人気想定はフーヤマルです。8戦して全て3着以内と抜群の安定感を誇る同馬ですが、その馬生は若くして異色と言えるでしょう。イギリスダービーでは何と単勝151倍の低評価ながらも2着し一躍有名になりました。例年荒れるレースとは言え、後にアイルランドダービーを圧勝するウエストオーバーを抑えての2着ですから、一定の能力があってこその2着でしょう。
そしてダービー後はセールで売却され、約2億円の高値で売却が決定、オーストラリアに移籍することが決まったのです。メルボルンカップを目指すとされましたが、一時的に転厩し前走マーチステークスを勝利して国内ラストの一戦となる見込みです。マーチステークスの前走ゴードンステークスではニューロンドンの3着に敗れましたが、これまで戦ってきた馬の質は最上位なだけに期待できそうです。
セントレジャーステークスは9月10日(土)の日本時間23時35分発走予定です。伝統あるイギリスクラシック最終戦だけにしっかりと馬券を取りたいですね!