3着までの馬に優先出走権が与えられる、桜花賞トライアルレースであるチューリップ賞が、まもなく開催されます。
チューリップ賞の概要
タイトル | チューリップ賞 |
---|---|
格付 | GⅡ |
開催国(競馬場) | 阪神競馬場 |
性齢 | 3歳牝馬 |
コース | 1,600m(芝) |
賞金 | 1着本賞金:5,200万円 |
チューリップ賞は、牝馬3冠レースの第一弾の桜花賞(GⅠ)と同じく、阪神芝1,600mで行われます。本番に向けて最も重要なトライアルレースとも言われており、例年、数々の有力馬が参戦してきます。そういった背景もあり、2017年まではGⅢとして開催されていましたが、2018年からはGⅡに格上げされました。
出走条件としては、3歳牝馬のうち、JRA所属馬以外にも、地方競馬所属馬、外国馬にも資格が与えられています。
このレースが行われる阪神芝1,600mコースの特徴は、一言で言うと強い馬、それも差しや追い込み馬が勝ちやすいコースです。スタートしてから最初のコーナーまでが444mもあるため、あまり枠による有利不利は大きくないです。どこの枠でも、先手を取ろうと思えば取ることが可能です。そこからは外回りコースのため、ゆったりとコーナーを回り、最後の直線も473mと十分な長さがあります。ゴールまで残り約200mの地点からは急激な上り坂になっており、逃げ・先行馬はバテやすく、差しや追い込みが決まりやすいコースになっています。特にペースが速くなりやすい重賞では、この傾向が顕著です。最後の直線も長いため、差し馬は外に回すことが多く、前が詰まって万事休すといったことが少ないのも、こういった傾向が出ている要因の一つと考えられます。基本的には実力のある馬で、差し・追い込み脚質で、上り坂でもしっかり加速して力強く走れるような馬が狙い目です。
チューリップ賞の歴史
チューリップ賞は、1994年にGⅢとして桜花賞の優先出走権を争う競走として実施されました。2010年からは国際競走となった他、2018年からはGⅡに昇格しました。
本番と同じ距離、コースで行われる最も重要なトライアルレースであることから、歴代の勝ち馬には名馬がずらりと並びます。エアグルーヴ、テイエムオーシャン、スイープトウショウ、ウオッカ、ブエナビスタ、ラッキーライラック等、牡馬相手でもG1を勝ち切るような強力な馬たちが勝利を挙げています。桜花賞との相性も当然良く、連勝で桜花賞で優勝する馬も何頭も輩出しています。しかし近年では、チューリップ賞と桜花賞を連勝した馬は減少傾向にあり、ここで負けた馬が本番で巻き返すケースが増えています。また、外厩が発達して、クラシックでの最有力馬と見られる馬が、トライアルを使わずに本番に臨むという流れも浸透しつつあるということも背景として挙げられます。
チューリップ賞の最新ブックメーカーオッズ
チューリップ賞のオッズが発表されている、ブックメーカーの一覧になります。
bet365
スポーツベットアイオー
ウィリアムヒル
1Xbet
チューリップ賞の見どころ
ブックメーカーのオッズで上位人気が予想されるのは、サークルオブライフ、ナミュール、ウォーターナビレラ、ステルナティーアの4頭です。
まずは、1番人気が濃厚な2歳女王のサークルオブライフから紹介します。この馬は、デビュー戦こそ、イクイノックスといった強者と当たってしまったこともあり、敗れましたが、そこから3連勝を挙げて一気にGⅠにも手が届きました。この馬の強みは、中段からやや後方を追走しつつ、最後の直線で爆発的な瞬発力を発揮して、前を行く全ての馬を差し切る末脚です。前走の阪神JF(GⅠ)では、直線に入った時点では10番手あたりでしたが、同世代の強豪を相手に、強烈な末脚で全馬を交わしてゴールインしました。関東馬ではありますが、すでに阪神への輸送も経験しており、何よりも牝馬の国枝調教師の管理馬なのでレースに向けての調整に不安な点はありません。ただし、本番に向けての賞金はすでに獲得しており、トライアルのここでは勝ちにはいかない可能性がある点だけが懸念点です。
続いて、ナミュールを紹介します。この馬はデビューから2連勝を挙げ、無敗で勢いを持って臨んだ前走の阪神JFで堂々の1番人気に支持されるも、まさかの大出遅れをかましてしまい、驚異的な追い上げを見せるも4着までが精一杯でした。前走で賞金加算に失敗したこともあり、これだけの能力を持っているこの馬でも、本番の桜花賞(GⅠ)に出走できるだけの賞金は獲得できておりません。つまり、ここで3着位内に入れなければ桜花賞には出走できません。しっかり仕上げて臨んでくる一戦となるでしょう。ただし、懸念点としては、前走のあれだけの出遅れは癖になっている可能性があり、今回も出遅れてしまう確率が高い点です。普通にスタートが切れれば、有力馬の一頭であることは間違い無いです。
続いて、ウォーターナビレラを紹介します。この馬は武幸四郎調教師の管理馬で、鞍上には兄の武豊騎手が跨るという夢のコラボを実現している馬です。それでいて、実力も伴っており、昨秋のファンタジーS(GⅢ)ではこのコンビで勝利を挙げています。父はシルバーステートであり、初年度なので未知の部分は確かに多いですが、父は足元が自身の爆発的な能力に耐えきれなかっただけで、持っているものは半端では無かったと言われています。現役時代は思うような成績を残せなくても、このように子どもが走って夢を見られるというのも競馬の醍醐味ですね。この馬の強みは、スタートがいつも良く、素早く先行集団に取り付ける点です。デビューから無敗の3連勝を飾り、満を持して臨んだ阪神JFでは残念ながら3着に敗れてしまいましたが、1着馬とは0.2秒差しかついていませんし、逆転の可能性は十分に考えられます。是非ここでも好走して、本番を盛り上げてほしいですね。
最後に、ステルナティーアを紹介します。この馬はデビュー戦を圧勝後、2戦目にはサウジアラビアRC(GⅢ)を選択し、牡馬相手に2着と好走しました。その後挑んだ阪神JFでは2番人気に支持されるも、馬体重が10kgも減っていた影響か、力を出しきれずに7着に敗れました。また、これまでのレースと比較してGⅠのペースがとてもタイトで、初めての経験で対応できなかったという点も敗因の一つと考えられます。この中間は馬体重アップに努めているようで、しっかり増やしてこれていれば、持っている能力は高いだけに、ここでも十分勝負になると考えられます。
チューリップ賞は、2022年3月5日(土)の15:35に発走予定となっています。春のクラシックに向けて、重要なトライアル競走がついにスタートします。是非好きな馬の馬券を買って、応援しましょう。