今年の天皇賞・春は5月1日(日)の午後3時40分に阪神競馬場の芝コース3200mで開催。今年も京都競馬場の改修により二年連続で阪神競馬場開催となります。
天皇賞・春概要
天皇賞・春は、京都競馬場(2022年は阪神競馬場)で開催される競馬の重賞(GⅠ)競走である。現在の中央競馬において最長距離の平地GⅠです。
レース名 |
天皇賞・春 |
---|---|
格付 | GⅠ |
開催国(競馬場) | 日本(阪神競馬場) |
性齢 | 四歳上 |
コース | 芝3200M |
賞金 | 1着賞金:2億円 |
天皇賞・春の歴史
天皇賞の起源をたどると、JRA発足よりもはるか昔、1905年に横浜競馬場で開催されたエンペラーズカップや明治初期に行われたMikado’s Vaseらが該当します。当時の外交問題を色濃く反映したもので、開国当時に結んでいた数々の不平等条約を緩和させるために行われたレースとして生まれました。やがて1899年ごろまでに不平等条約の大半が改正されたところで明治天皇は競馬場に赴くことがなくなったと言われています。
天皇賞は春と秋に開催され、当時はどちらも芝の3200m戦。これは軍馬育成の意味合いも兼ねていて、戦争時に活躍する軍馬にはスタミナが必要という理由からでした。しかし、戦後にはそうした軍事的な性格も薄れ、さらに84年のグレード制導入に合わせて秋の天皇賞は2000mに短縮。一方で天皇賞(春)は3200mのままで、日本の平地G1レースでは最長距離を誇る一戦となりました。
年に1度しか開催されないコースだけにスペシャリストとなる馬も多いのがこのレースの特徴。かつてはメジロマックイーンが連覇を達成したのをはじめ、複数回このレースを制した馬が数多くいます。また同じ3000m超のG1である菊花賞勝ち馬とも相性がよく、ディープインパクトやヒシミラクルなど前年の菊花賞馬がそのまま好走するケースもよく見られます。
そのため天皇賞(春)は「日本の中長距離界の最高峰レース」としての性格と同時にスタミナナンバーワンホースを決める一戦でもあります。
しかし、3000mを超えるレースは世界を見渡してもかなりまれなもの。競馬先進国とも言える欧州ではほとんど見られないというところで、近年の競馬界では天皇賞(春)を軽視する感じの陣営も増えました。
何せ日本一のスタミナを競う一戦でレース後のダメージが大きいため、ならば同時期に開催される海外の中距離G1を狙ったほうがいいという判断も多く見られて、天皇賞には次第にメンバーが集まらなくなってきました。
天皇賞・春の最新ブックメーカーオッズ
最新のブックメーカーオッズになります。
bet365

ウィリアムヒル

1Xbet

天皇賞・春の見どころ

長距離戦が軽視されスピード化を重視する傾向になってから久しくありませんが、今回の出走馬を見ても混戦の様相を呈しています。
大阪杯で惨敗を喫したエフフォーリアは出走の予定はありませんでしたし、昨年のダービー馬シャフリヤールはドバイシーマクラシックに出走して日程的に厳しかったことを考慮しても天皇賞・春は元々回避していたことでしょう。二頭とも菊花賞もパスしていることから現代競馬において超一流馬は種牡馬価値も含めて中距離志向であることが分かります。
それでも長距離独特の流れや駆け引きも見ているファンからすれば楽しいものではありますし、90年代のようにクラシックを賑わせた馬たちが天皇賞・春に参戦するレースに戻って欲しいと思ったりもする方も多いのではないでしょうか。
今回はGⅠ馬はタイトルホルダー1頭のみとやや寂しい顔ぶれながらも、馬券的には面白いメンバーが揃いました。
タイトルホルダーを制して一番人気が予想されるのはディープボンドです。コントレイル世代として2020年のクラシックを皆勤した同馬ですが、2021年は飛躍の年となりました。阪神大賞典での圧勝をはじめ昨年の天皇賞・春では僅差の2着、凱旋門賞を目指して挑んだフォワ賞ではまさかの逃げ切り、本番は惨敗でしたが帰国後の有馬記念では前々から粘って2着と一流馬が大挙引退した2022年の古馬戦線においてトップホースへと昇り詰めました。
前走は危なげなく阪神大賞典連覇で飾り、今年も堂々有力馬として天皇賞・春に挑みます。ディープボンドは33秒台の脚は使えないものの、前々を粘ることのできる持久力やタフさは阪神3200Mにとても合っている印象です。そして今年は昨年とは違い、目標になる有力馬(タイトルホルダー)が前に位置することからもレースがしやすいことでしょう。
昨年は同馬の父キズナ産駒が春のGⅠで馬券内が続き同馬も2着という結果でしたが、今年は母父キングヘイローのウォーターナビレラ・イクイノックスが連続で2着となっており、血統的に勝ち切ることができるかどうかにも注目が集まります。
対抗はタイトルホルダーです。ドゥラメンテ産駒として菊花賞で初GⅠ制覇を達成、血統的にも長距離が合うことは間違いありませんが、皐月賞でも2着しているように豊かなスピードがあることも特徴です。父からはGⅠを勝ち切る底力を、母系からは豊富なスタミナを引き継いだとすれば、やや晩成傾向であることからも今年の古馬の中心になってもおかしくない存在です。
有馬記念は大外枠に泣きましたが5着、前走日経賞では余裕の逃げ切りと成長を感じさせるレースぶりでした。有馬記念から手綱をとっている鞍上の横山和騎手にとっても初のGⅠ制覇となるか注目です。
3番手評価はテーオーロイヤルです。条件戦の1勝クラスから4連勝で前走はダイヤモンドステークスを制覇しました。4連勝の中身が色濃く、逃げても差しても先行しても自在の競馬で勝ち切ったことは評価して良いでしょう。昨年の青葉賞では人気薄ながら後方から伸びて僅差の4着だったことも自力の高さが伺えます。斤量が58kgになるのがどうかとダイヤモンドステークス勝ち馬の天皇賞・春での成績が振るわないことが気がかりですが、4連勝の勢いそのままにGⅠ制覇となるか注目です。
その他で穴人気しそうなのはマカオンドールです。父ゴールドシップ譲りの芦毛で前走は伸びそうで伸びないチグハグとしたレースぶりでした。昨年秋はテーオーロイヤルに敗戦していますが、同馬も善戦しながらオープン入りを果たしました。血統的にも長距離は向くだけに一発あってもおかしくない存在です。
天皇賞・春は5月1日(日)15時40分発走予定です。古馬長距離王決定戦だけにしっかりと馬券を取りたいですね!