ブックメーカーは日本の公営ギャンブルと違い、還元率が高く(平均約90%から98%)勝ちやすいギャンブルです。
勝ちやすいというのはユーザーにとって利点ですが、それを逆手に取り
- ブックメーカー必勝法を教えます
- 確実に勝てる情報を極秘で配信します
- ブックメーカーを広告する副業です
といったブックメーカー勧誘詐欺が増えているようです。
- ブックメーカー勧誘詐欺の手口
- ブックメーカーの勧誘詐欺の対策
- 勧誘詐欺に引っかかってしまったときの対処法
まずは、どのような勧誘詐欺の手口があるかみていきましょう。
ブックメーカー勧誘詐欺の手口
まず、ブックメーカー勧誘詐欺の手口を見てみましょう。よくある代表的な手口には、以下のようなパターンがあります。
マッチングアプリやインスタで「ブックメーカーの広告をする副業」と勧誘される
ブックメーカーの勧誘詐欺は、投資に絡めた案件だけではありません。マッチングアプリなどで知り合った異性から「副業に興味はありませんか?」と言われ、興味があると答えると「ブックメーカーを広告する仕事で稼いでいますので興味ありませんか?」と勧誘されるケースです。
マッチングアプリで知り合った女性から以下の流れで勧誘をされます。
- 本業の収入を超えた
- ブックメーカーを紹介するお仕事
- 仲間がたくさんいる
- 自衛隊や公務員もやっている
- バーベキュー大会がある
- サポートがフォローしてくれる
- 止めたければいつでもやめることができる
このような謳い文句で誘い出されます。誘われた先には「師匠」が登場し、広告をするやり方を教えるための教材費として、数十万円の契約をさせられるといった内容です。
実は同じような勧誘詐欺が過去にもあり、勧誘詐欺業者(novaアフィリエイト)が処罰を受けています。
消費者庁は、海外事業者であるとかたっていた連鎖販売業者である、「NO-VA(ノーヴァ)」こと笠井秀哉(大阪府大阪市)及び井上岳(東京都新宿区)の2名に対して、令和3年6月22日、以下の行政処分をしました。(1)取引等停止命令(特定商取引法第39条第1項)
令和3年6月23日から令和4年9月22日までの15か月間、連鎖販売取引に係る取引の一部等(勧誘(勧誘者に行わせることも含みます。申込受付も同じ。)、申込受付及び契約締結)を停止するよう命令。(2)指示(特定商取引法第38条第1項)
再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築することなどを指示。(3)業務禁止命令(特定商取引法第39条第1項)
前記(1)の取引等停止命令と同じ期間、前記(1)で停止を命じる範囲の業務を営む法人の、当該業務を担当する役員となることの禁止を命令。笠井及び井上は、「NO-VA(ノーヴァ)」と称するオンラインツールがその利用者へ支払う報酬の獲得を促す役務を提供しています。
「NO-VA(ノーヴァ)」と称するオンラインツールは、1特定のオンラインカジノゲームを宣伝してその利用者を獲得する、又は2新たに当該オンラインツールの利用者を紹介すると、各種の報酬を得ることができるというシステムです。
笠井及び井上は、連鎖販売取引の会員に、当該オンラインツールを利用させるとともに、会員の勧誘行為に対し、継続的に指導を行い、その営業活動を組織的に行わせて管理するなどしています。
ブックメーカーの広告といえば、当サイトのようなアフィリエイト広告で運営しているサイトを指しますが、仲間がいるわけでも、サポートがあるわけでも、ノウハウを教える教材を販売することは決してありません。
ブックメーカーのアフィリエイトをするためには、高額なお金が必要なことは一切ありません。月々のサーバー代やドメイン費用くらいです。
「ブックメーカーを広げるお仕事」「仲間と一緒に盛り上げよう!」「サポートがいるから安心して始めることができる」といった初心者や陰キャラに受けそうなキャッチコピーで販売するという手口は100%詐欺です。
「ブックメーカーの必勝法じゃないから安心」と考えず、「ブックメーカーを広告するお仕事といって」勧誘する手口の先には必ず、数十万円レベルの商材を売りつけてきますので注意が必要です。
うそをついて不正にマルチ商法の会員勧誘を行ったとして、男女3人が逮捕されました。大阪府でも男女15人が逮捕されていてグループが集めた金は全国で総額60億円以上に上るとみられています。
特定商取引法違反の疑いで逮捕されたのは、オンラインカジノの広告宣伝を行うマルチ商法グループ「ERA」幹部の吉岡亜希子容疑者(32)と下川祐輝容疑者(35)ら男女3人です。
警察によりますと、3人は、2021年7月と8月、福岡県内でオンラインカジノの新規会員を勧誘する際、契約にクーリング・オフが適用されるにも関わらず、「キプロス共和国の国内法が適用されるので日本では適用できない」と、嘘の説明をするなどした疑いがもたれています。
警察は3人の認否を明らかにしていません。
また、このほかにも大阪府警がこのグループのリーダー・伐渡アーマッド裕樹容疑者(35)ら男女15人を逮捕しています。
ヤフーニュースより引用
SNSで勧誘し高額な商材を売りつけられる
「絶対に勝てる!」「月利1000%超え!」といった派手なキャッチコピーで、ブックメーカーの手法を販売するという手口です。
SNSやヤフオク、noteなどを見ると、このような商材が高額で販売されているのを目にしたことがある人もいると思います。
しかし、その内容はお粗末なもので
- テニスの低オッズの試合にベットして確実に増やす
- サッカーのアンダーに数万円、数十万円をベットして複利で増やす
といった、無料でネットに転がっているレベルです。
もう少し手の込んだ手口だと、最初は安価な商材を売りつけてその後のバックエンド商品として、数十万円レベルの商材を売りつけてくる場合もあります。
SNSで高額な有料予想配信サービス・コンサルを勧誘される
次に多いのが、「確実に儲かる試合を厳選」などと謳い有料予想のLINE配信サービス、コンサルを行う詐欺です。
SNSなどで、高額な利益を出している画像を見て「この人はホントに稼いでいる」と騙されないようにしましょう。画像は簡単に加工できます。
また、別々のアカウントでA、B両チームへ両建てすれば、どちらが勝っても利益は残りますし、的中した方の画像を公開すれば勝っているように見えますよね。
LINEやTwitterのDMでやりとりしている画像も、ほぼすべて自演です。
さらに、「毎月○名限定」といったコンサルも100%詐欺なので騙されないようにしましょう。
自動ベットツールなどの高額ツールを購入させられる
自動ベットツールというと、日本では過去に競馬予想ソフトを使って荒稼ぎした人が脱税で逮捕されるという事件がありました。
ブックメーカーの自動ベットツールは、以下のようなものが販売されています。
- AチームとBチームのどちらが勝っても利益が出るアービトラージを自動で行うツール
- 期待値がプラスになるオッズを探して自動ベットしてくれるツール
結論からいうと、これらの自動ベットツールで稼ぐことは不可能で、高い料金をドブに捨てるようなものです。
まず、アービトラージについてですが、どちらに賭けても利益が出るようなオッズが出ることは少ない上に、アービトラージ自体がブックメーカーに禁止されています。
仮にアービトラージが成立しても、得られる利益は少ない上に、すぐにオッズが変動してベットできなかったということが頻発します。
また、ブックメーカー側でもアービトラージをしているユーザーは履歴で簡単に見つけられるため、MAXベット額を制限したりアカウントを凍結することも珍しくありません。
期待値の高いオッズを見つけて自動ベットしてくれるツールに関しても、ブックメーカーは膨大なビッグデータやAIを駆使してオッズを小刻みに変えていますから、個人レベルのプログラマーが作ったツールでは太刀打ちできません。
知り合いからブックメーカーの投資セミナーに誘われる
最近では、オフラインを使って直接勧誘する詐欺グループが急増しています。目の前で強引に勧誘されると、なかなか断りづらいですからね。
この方は、50万円もする高額なスクールへの入学を迫られたようです。内容は「オッズ1.2倍に賭けて勝率95%」というインチキ臭い内容。
ブックメーカーに詳しくない人のためにいいますと、オッズ1.2倍で継続的に勝率95%を維持できる人は、世界中を探しても存在しません。
このような手法は1.1倍以下の超低オッズに賭ける手法です。そのようなオッズでは95%は出せるかもしれませんが、期待値を計算するとマイナスになります。
この方は、もっと悲惨です。友達の友達から勧誘されて、半強制的に130万円もの契約を結ばされたようです。マルチ商法の手口そのものですね。
このような手口は、FXや株などに使われることが多いのですが、ブックメーカーは誰でも簡単に始められる上に、こういった勧誘に慣れていない人が多いため被害が急増しています。
たとえ、SNSなどで知り合った人に直接会うことを持ちかけられても、決して誘いに乗らないようにしてください。
ブックメーカー勧誘詐欺に騙されないために
ブックメーカー投資詐欺に騙されないためには、ブックメーカーに対する正しい理解が必要です。
ブックメーカーに必勝法は存在しないことを理解する
まず、ブックメーカーの仕組みについて一般的な投資との違いを解説します。
たとえば、FXや株などを取り扱う証券会社は、トレーダーの取引手数料を自社の利益としていますから、トレーダーが利益を出しても自社にとっては不都合はありません。むしろ、どんどん稼いで取引してくれれば、その分の手数料で自社の利益が増えるわけです。
それに対して、ブックメーカーではユーザーの利益が自社の損失となる点が大きく異なります。したがって、還元率が必ず100%を下回るようにオッズが設定されているのです。
膨大なデータを駆使して、何十年もの間に渡って利益を出し続けているブックメーカーを相手に、素人が大金を継続して稼ぎ続けられると思いますか?
仮に、そのような必勝法があったとしても、不特定多数に販売して購入者が全員同じ方法を使ったらすぐに対策されてしまいますから、普通は誰にも教えませんよね。
投資詐欺グループは、勝てないと分かっているから手法を販売しているのです。
SNSに上がっている画像を信用しない
SNSなどで「勝率95%の証拠画像」をあげている人がいたら注意してください。
両建て(両方に賭けること)してしまえば、勝った方の画像を見せればいいだけですし、最近では勝利画像は素人でも簡単に加工することができます。
こういった画像を目にしたら疑いましょう。
1.01倍などの低オッズにかけ続ければ、理論上は95%以上の勝率を出せることはあります。
スポーツベッティングは娯楽として楽しむもので、低オッズばかりに賭け続けるということは、賭けを楽しむために利用していないとブックメーカーから判断されます。
ブックメーカーは低オッズばかりに賭けることを禁止しているところもあるくらいですしブックメーカー側のシステムで不正と検知されれば最悪、アカウントが凍結される可能性があります。
怪しいセミナーやうまい投資話に乗らない
ブックメーカー勧誘詐欺に勧誘するので一番騙されやすいのが、異性からの勧誘です。
以下、実際にマッチングアプリで知り合った女性に勧誘さ高額なセミナーを契約してしまった人の話です。
マッチングアプリで知り合った女性と会った。
その際、「海外のブックメーカーで稼げる話があるよ。話だけでも聞いてみない?」と言われた。女性に好意を持っていたので、話を聞く約束をした。
翌日、女性と女性が連れてきた男性と3人で会い、説明を聞いた。
男性から、「サッカーの試合に賭けて、勝てば何倍も稼げる。そのノウハウを勉強会や動画等で1年間学ぶセミナーを受講して、1か月100万円稼いだ人もいる。」という話を聞くうちに、その気になり、80万円のセミナー受講契約をすることにした。
だが、80万円支払うのは難しいので、その旨を伝えたら、消費者金融2社で40万円ずつ借りるよう指示された。
言われたとおりに借金して80万円を支払ったが、よく考えると高額なので後悔している。解約したい。(20代 男性)東京くらしWEB(https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp)より引用
勧誘詐欺に引っかかってしまった場合
万が一高額なセミナーや商品を購入してしまった場合、8日以内であればクーリングオフができる場合があります。また、クーリングオフ期間を過ぎてしまっても、諦めずに最寄りの消費者生活センターに相談してください。
「消費者ホットライン」に電話した際に、都道府県や政令市の消費生活センター等の電話が話中でつながらない場合、国民生活センターの「平日バックアップ相談」の電話番号がアナウンスされます。国民生活センターでは、最寄りの相談窓口に電話がつながらない場合に相談を受けていますのでご利用ください。
消費者庁のホームページも参考にしてください。
ブックメーカー勧誘詐欺のまとめ
今回は、ブックメーカー投資を謳った勧誘詐欺の手口や、勧誘詐欺に遭わないための方法を解説してきました。
ブックメーカーに対して否定的なことを述べてきましたが、それでは「ブックメーカーで稼ぐのは不可能なのか?」といわれれば、決してそんなことはありません。
ブックメーカーは還元率の高いギャンブルですし、スロットやバカラのようなゲームと違いプレイヤーの選択によって勝率を上げることが可能です。
- 有料サービスの勧誘は詐欺の可能性大
- 自動ベットツールで大金を稼げる勧誘は嘘
- 勧誘詐欺に引っかかってしまったら消費者センターへ