投資の世界ではアービトラージという投資法があり、ブックメーカーにも理論を用いることがあります。うまく活用できれば確実に利益を上げられるので、是非とも知っておきたい投資法でしょう。
この記事では、ブックメーカーアービトラージの仕組みや手順、実施するメリットなどについて詳しく解説しています。
ブックメーカーのアービトラージとは？やり方も解説
アービトラージとは投資で使われる用語の1つであり、市場の価格差を利用して利益を得る方法を指します。ブックメーカーにおいては、以下のように置き換えることが可能です。
異なるブックメーカーのオッズ差を利用して、どのような結果になっても利益が出る賭け方のこと
同じ試合・同じ賭け方において、2つのブックメーカーで以下のようなオッズがつけられてたとしましょう。
| 選手1 | 選手2 | |
|---|---|---|
| ブックメーカーA | 2.2 | 1.7 |
| ブックメーカーB | 1.6 | 2.3 |
この場合、ブックメーカーAで選手1に、ブックメーカーBで選手2に同額をベットすれば、選手1・2のどちらが勝っても必ず利益が出ます。
■選手1が勝った場合
ブックメーカーA：1.2の利益
ブックメーカーB：1の損失
トータル：0.2の利益
■選手2が勝った場合
ブックメーカーA：1の損失
ブックメーカーB：1.3の利益
トータル：0.3の利益
ブックメーカーでアービトラージを行う手順
ブックメーカーでアービトラージを行うための手順は、以下の3ステップです。
- 複数のブックメーカーに登録
- アービトラージできるオッズを選定
- 賭け金を計算して賭ける
複数のブックメーカーに登録
アービトラージを行うためには、異なるブックメーカーでアカウントが必要になります。1つしかブックメーカーアカウントを持っていない人は、他のブックメーカーでもアカウントを作成しましょう。
アービトラージできるオッズを選定
2つ以上のブックメーカーでアカウントを作成したら、アービトラージができるオッズを見つけましょう。
アービトラージを見つけるためのツールもあるので、必要に応じて活用するとオッズを見つけやすくなるでしょう。
アービトラージツールの中には、詐欺まがいの怪しい商品も存在します。
大手ブックメーカーのPinnacle（ピナクル）では、自社でアービトラージの計算ツールを無料公開しています。
ただしピナクルの提供するツールは計算だけで、オッズを見つける機能は搭載していません。
賭け金を計算して賭ける
アービトラージが可能なオッズを見つけたら、賭け金を計算してベットしましょう。賭け金の計算自体はツールで自動的にしてくれるため、実際には表示されている金額をベットするだけでOKです。
アービトラージをするメリット
ブックメーカーでアービトラージを行うメリットは主に以下の2つです。
- 必ず儲かる
- 初心者でもできる
必ず儲かる
先述した例のように、理論上はどのような結果が出ても必ず儲かるので、負けない投資法となります。
初心者でもできる
やることはアービトラージの条件に合うオッズを見つけるだけなので、ブックメーカー初心者や該当するスポーツに詳しくない人でも実践可能です。
ブックメーカーで利益を出すために本来必要になる情報収集や分析、予想は不要です。
ブックメーカーでアービトラージをする際の注意点
ブックメーカーのアービトラージには、以下4つの注意点もあります。実践するかは注意点を把握してから決めましょう。
- 稼げる利益が少ない
- オッズ選定が大変
- 賭けるタイミングが遅れると利益が出ない
- 原則禁止されている
稼げる利益が少ない
アービトラージができた場合でも1回で得られる利益はごく僅かで、1％未満になることも少なくありません。加えて、ブックメーカーではベットの上限額が設定されているので、賭け金を無限に増やすことも不可能です。
先述したようにオッズ選定が大変な割に利益が少ないので、労力と見合っているかは疑問です。
オッズ選定が大変
アービトラージを実践するためには、複数のブックメーカーのオッズを比較しなくてはいけません。常にブックメーカーを監視している必要があり、膨大な時間と労力を要するでしょう。
アービトラージの利益は小さいことから、ツールを導入するだけの価値があるかは不明でしょう。
賭けるタイミングが遅れると利益が出ない
仮にアービトラージできるオッズがあったとしても、ベットの手続き中にオッズが変動する可能性があります。
ブックメーカーのオッズは常に変動しているため、アービトラージオッズを見つけたら素早くベットを完了させる必要があります。
原則禁止されている
これまで紹介した注意点よりも大きなものが、アービトラージという行為自体が原則禁止されているということです。
大々的にアービトラージ禁止を掲げてはいませんが、明らかに不自然なベットに関しては厳しく取り締まりをしています。
ブックメーカーがアービトラージしていると判断した場合は、以下のペナルティが課せられるリスクがあります。
| マックスベット規制 | 該当する賭け方のベット上限を著しく低く抑える |
|---|---|
| ベットキャンセル | 該当ベットの勝利金を没収 |
| アカウント凍結 | アカウントが使用できなくなる |
さらに、アービトラージを認めているブックメーカーも実はあるんです。
Pinnacle（ピナクル）はアービトラージを認めている
例外としてPinnacle（ピナクル）では、アービトラージを認めています。
アービトラージを行う場合は、ピナクルで行うことを徹底すると良いでしょう。
時間差アービトラージは規制の例外
アービトラージが規制・アカウント凍結の対象であることを説明しましたが、時間差でアービトラージが可能になった場合は対象外です。
時間差アービトラージとは？
時間差アービトラージとは、文字通り時間差を利用したアービトラージの手法です。
具体例として、以下のテニスのオッズで説明します。
勝敗予想の事前オッズでは1.4倍と3倍になっていますが、試合が始まり第1セット終了時点では、以下画像の通り3.2倍と1.36倍にオッズが変動していました。
わかりやすく表にまとめると、次のようになります。
| 事前オッズ | ライブオッズ （第1セット終了時） | |
|---|---|---|
| ダニール・メドベージェフ | 1.4 | 3.2 |
| フベルト・フルカチュ | 3.0 | 1.36 |
時間差により、アービトラージの状況ができることは意外と多いです。この仕組みを知っているだけでも、稼ぎやすくなるでしょう。
同じブックメーカーでの両賭けが心配であれば、ブックメーカーを変えてベットしましょう。
時間差アービトラージを利用した投資法
時間差アービトラージの投資法として、バスケットボールの勝敗予想が挙げられます。
バスケットボールは点が入りやすいスポーツなので、他のスポーツと比べてオッズが変動しやすいのが特徴です。時間差アービトラージをしやすいスポーツと言えるでしょう。
ブックメーカーのアービトラージまとめ
今回は、ブックメーカーのアービトラージについて解説しました。改めて以下にまとめています。
- アービトラージとは、ブックメーカー間のオッズ差を利用して必ず利益が出るように賭ける投資法
- 「理論上は必ず儲かる」「スポーツの知識が不要」な点がメリット
- 「オッズ選定が大変」「利益が少ない」点がデメリット
- 原則禁止のブックメーカーが多数で、バレたら規制・凍結の対象
- 大手ブックメーカーではPinnacle（ピナクル）が唯一認めている
- 時間差を利用したアービトラージは規制の対象外
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