夏の札幌の地で実施される定量戦GⅡである札幌記念がまもなく開催されます。
札幌記念の概要
タイトル | 札幌記念 |
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格付 | GⅡ |
開催国(競馬場) | 札幌競馬場 |
性齢 | 3歳以上 |
コース | 2,000m(芝) |
賞金 | 1着本賞金:7,000万円 |
札幌記念は、夏に国内で開催されるレースの中で最も賞金が高く、定量戦ということもあり、度々GⅠ馬も出走することでお馴染みです。実は定量戦のGⅡはこの札幌記念と冬に開催される阪神カップ(GⅡ)の2つしかありません。高額賞金を稼ぎ出しているGⅠ馬は、GⅡ以下では斤量を背負わされることも多く、出走を敬遠しがちですが、このレースは定量であるということもあり、毎年多くの賞金を稼いだ強豪馬が出走してきます。夏はあまりGⅡ自体が開催されておらず、このレースが夏を締めくくる大きなレースという位置付けでもあります。
このレースの歴史は半世紀以上あります。1965年に創設されました。当初は砂(現代でいうダートに近いもの)の2,000mで施行されていました。当時は寒冷地では芝の育成が困難であったため、札幌競馬場に芝コースがなかったためです。1975年からは国際競走となり、1984年からはGⅢに、1997年にはGⅡに格上げされました。また同じく1997年からは特別交流競走となり、地方競馬所属馬も2頭まで出走可能となりました。2006年からは定量戦となり、現在と同じ条件での開催となっております。
札幌競馬場の芝が洋芝であり、ヨーロッパの芝の質に近いという背景もあり、このレースには度々、秋にフランスで開催される世界最高峰のレースである凱旋門賞(GⅠ)のステップとして出走してくる一流馬も存在します。
札幌記念の歴史
このレースの過去の勝ち馬には、数々の名馬の名が並びます。例えばここ20年でもテイエムオーシャン、ファインモーション、ヘヴンリーロマンス、アドマイヤムーン、フサイチパンドラ、アーネストリー、トーセンジョーダン、ハープスター、ブラストワンピース、ソダシと、半数の10頭がGⅠ馬(後に勝利した馬を含む)です。距離が2,000mで行われているということもあり、これら10頭は、クラシックや古馬王道路線で大活躍した馬達であるという特徴があります。中には年度代表馬となった馬もいるなど、非常に重要なレースであることが分かります。GⅠ馬ではないその他の10頭もあと一歩でGⅠに手が届くといった馬も多かったため、やはりこのレースのレベルの高さが表れています。
昨年の勝者ソダシも、昨年の桜花賞(GⅠ)を制しており、先日のヴィクトリアマイル(GⅠ)でも勝利を挙げたことが記憶に新しいです。
札幌記念の最新ブックメーカーオッズ
のオッズが発表されている、ブックメーカーの一覧になります。
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札幌記念の見どころ
ブックメーカーのオッズで上位人気が想定されるのは、ソダシ、ジャックドール、グローリーヴェイズ、パンサラッサの4頭です。一頭ずつ紹介していきます。
まずは、最上位人気が予想されるソダシからです。言わずと知れた白毛のアイドルホースです。父クロフネ産駒の4歳馬で、これまで既に阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)、桜花賞(GⅠ)、ヴィクトリアマイル(GⅠ)と3つのGⅠタイトルを保有しています。また、昨年のこのレースの覇者でもあります。ソダシはデビュー以来吉田隼人騎手とコンビを組み、デビューから無敗の5連勝で桜花賞を制しました。当然、牝馬クラシック2冠目のオークス(GⅠ)にも挑戦しましたが、父クロフネという血統的な背景も影響したか、流石に2,400mは距離が長く、デビュー以来初の敗戦となる8着に敗れてしまいました。しかし、立て直して臨んだ昨年の札幌記念では、やや長いと思われていた2,000mでも強さを発揮し、あのラヴズオンリーユーなどの強豪馬を相手に見事に優勝しました。当時は3歳馬ということで52キロという軽い斤量の恩恵も多少はあったと思われますが、先行して途中から先頭を奪い、そのまま押し切るという横綱相撲でした。その後はダート路線にも活路を見出し、今年のフェブラリーステークス(GⅠ)では3着に入るなど、結果を残し、再び芝競馬への挑戦となったヴィクトリアマイルで復活の勝利を上げました。札幌記念連覇がかかる今年は、昨年より斤量が増えることや、年齢を重ねて、距離適性が短くなっていないか等、不安は囁かれますが、これまでもいくつもの壁を乗り越えてきた名牝ですから、連覇を達成しても不思議ではありません。
次に、ジャックドールを紹介します。モーリス産駒の4歳馬です。2021年9月の1勝クラスのレースから破竹の5連勝で今年の金鯱賞(GⅡ)を制したことは記憶に新しいです。その時の勝ちタイムも2,000mを1:57:2で、それも自分で逃げて作ったペースであったことから、話題になりました。そして臨んだ大阪杯(GⅠ)でも自分の形である逃げの手に出ましたが、流石にGⅠは甘くなく、強豪馬に交わされて5着に敗れました。それでも連戦の疲れや初めてのGⅠ挑戦ということを考慮すると、立派な成績です。GⅡでしたら地力は上位でしょうし、自分の形に持ち込めればとても強い馬なので、同型馬との兼ね合いにはなりますが、期待できる一頭であることは間違い無いです。
次に、グローリーヴェイズを紹介します。母国での夏休みを終えたルメール騎手とコンビを組む、ディープインパクト産駒の7歳牡馬です。この馬は香港ヴァーズをこれまでに2勝している馬です。国内ではGⅡまでの勝利しかありませんが、海外ではGⅠでも安定して上位争いを繰り広げています。この秋は再び海外か、それとも国内の古馬王道路線か、いずれにしてもここが資金石となる一戦ですから、注目です。
最後に、パンサラッサを紹介します。宝塚記念(GⅠ)でタイトルホルダー相手に逃げの手に出たことは記憶に新しいのではないでしょうか。宝塚記念では同型のタイトルホルダーに早めに来られてしまい、堪えきれずに8着に敗れてしまいましたが、この馬も自分の形に持ち込めば強いです。現に今年のドバイターフ(GⅠ)では見事な逃げ切り勝ちを収めました。今回は、ジャックドールとソダシという強力な同型馬がいますが、もし先手を取れるようなら面白い存在になりそうです。
札幌記念は、2022年8月21日(日)の15:45に札幌競馬場で開催されます。定量GⅡということで、例年名馬が揃う夏競馬で1番盛り上がるレースですから、いつもより軍資金を多く用意して、ぜひレースを楽しんでください。