このレースをステップにGⅠやJpnⅠ初制覇に繋げる馬の多い出世レースである、名古屋大賞典がまもなく開催されます。
名古屋大賞典の概要
タイトル | 名古屋大賞典 |
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格付 | JpnⅢ |
開催国(競馬場) | 名古屋競馬場 |
性齢 | 4歳以上 |
コース | 1,900m(ダ) |
賞金 | 1着本賞金:2,200万円 |
名古屋大賞典は、名古屋競馬場ダート1,900mで開催される別定戦です。別定線ということで、実績のある馬は重い斤量を背負わされることになるため、このレースを避ける傾向にあります。そういった実績馬は同時期に船橋競馬場2,400mで行われるダイオライト記念に回りがちです。そういった背景もあり、このレースには今後の飛躍を目指すホープ達が出走することになり、結果的にその後に大レースを制することになる馬が勝利を挙げています。これが出世レースと言われている所以です。
このレースはフルゲート12頭と、ダートグレード競走の中では少なめです。出走条件としては、4歳以上の馬のうち、JRA所属馬が5頭、地方競馬所属馬が7頭(そのうち、東海地区所属馬が4頭、他地区所属馬が3頭)と定められています。
このレースが行われる名古屋競馬場ダート1,900mコースの特徴を紹介します。名古屋競馬場はかなり小回りのコースになっており、最初の直線は261m、最後の直線も194mと短めです。最初の直線が短いため、先行争いは比較的激しくなりがちですが、最後の直線が短いこともあり、逃げ・先行馬の成績が良いことが目立ちます。コーナーを6回通過することから、内枠の馬の方が距離ロスなく走れるので有利に思われますが、意外と枠順による成績の優劣は無いようです。ただしこれには訳があり、出走頭数が少ないため、外枠と言っても1桁馬番であったりするためです。実際、フルゲートになった場合は、やや外枠の馬は馬券に絡む割合が減っていることが伺えます。このレースはフルゲートになることが多いでしょうから、基本的には外目の枠以外の逃げ・先行馬を狙うのがセオリーとなります。
名古屋大賞典の歴史
名古屋大賞典は、1997年に創設されました。レース名も距離も当時から現行通りでした。1996年から中央・地方全国指定交流競走に指定され、1997年からはGⅢ(現在はJpnⅢ)に格付けされました。ちなみに、2023年からは名古屋競馬場の移転に伴い、施行距離がダート2,000mに変更となる予定です。
交流重賞となって以降、歴代の勝ち馬は、ほぼJRA所属馬です。過去には、2度だけ地方馬の勝利もありますが、ここ約20年は全てJRA所属馬が勝利を収めています。出世レースというだけあり、ここ10年でもニホンピロアワーズやホッコータルマエ、アウォーディー、ケイティブレイブがこのレースの勝利後に、年内にGⅠまたはJpnⅠ競走を制しています。
名古屋大賞典の最新ブックメーカーオッズ
名古屋大賞典のオッズが発表されている、ブックメーカーの一覧になります。
bet365
スポーツベットアイオー
ウィリアムヒル
1Xbet
参考:netkeibaオッズ
3/7(月) 21:00現在のオッズです。
ブックメーカーのオッズがSPのため、参考までにnetkeibaのオッズを載せます。ブックメーカーでも購入は可能なので、これを参考にブックメーカーで購入されることをお勧めします。
名古屋大賞典の見どころ
ブックメーカーのオッズで上位人気が予想されるのは、全てJRA所属の、クリンチャー、ケイアイパープル、アナザートゥルースの3頭です。
まずは1番人気が濃厚な昨年の覇者であるクリンチャーから紹介します。既に32戦を消化している8歳馬です。デビュー当初は芝レースを走り、2017年のクラシック3冠も皆勤賞で参戦しました。皐月賞(GⅠ)では4着、菊花賞では2着と上位にも入着し、ファンを沸かせました。その後は京都記念(GⅡ)を制したり、天皇賞・春(GⅠ)で3着に入るなど引き続き芝レースで活躍し、2018年の凱旋門賞(GⅠ)にも参戦しました(結果は17着)。2020年からはダートに挑戦し、みやこステークス(GⅢ)を制したり、中央・地方交流のダートグレード競走でも2勝を挙げるなどダートでも活躍を見せています。この馬の特徴としては、芝競走を走っている時からですが、持ち前の先行力が挙げられます。昨年のこのレースでは道中は好位を追走していましたが、途中から先頭に立ち最後はそのまま後続に0.7秒差をつけて圧勝しました。スタートも毎回良く、必ず好位を取れる点はこの馬の強みです。前走の東京大賞典(GⅠ)でも2着に入っているように、ダートグレード競走では力が最上位クラスであることも分かっているため、やはりここでは勝つ可能性の高い一頭です。
続いて、ケイアイパープルを紹介します。つい先月の佐賀記念(JpnⅢ)で重賞初制覇を果たしたばかりの新鋭です。といっても6歳馬で、これまで約20戦のキャリアを積んでいるため、遅咲きの馬と言えるでしょう。この馬はパイロ産駒ということもあり、デビュー戦から常にダートレースを使われてきました。新馬戦こそ人気薄ながら圧勝したものの、その後は1つクラスを上げるのに何走も要するなど、苦労した印象です。オープンクラス入りしてからも何度も強豪に弾き返されてきましたが、昨年になってようやく本格化したか、オープンクラスの競走を連勝し、ダートグレード競走戦線での有力馬の一頭に名乗りを上げると、ついに今年の佐賀記念で勝利を手にしました。この馬の強さは脚質の自在性にあります。最後方からレースを進めたこともあれば、逃げの手に出たこともあります。展開に応じて戦法を変えることができる点は大きな武器となっています。今回のレースの人気馬の中では6歳といえども若い方なので、ここで勝利を挙げて、今後のダート路線を引っ張っていく存在になっても不思議ではありません。
次に、アナザートゥルースを紹介します。セン馬の8歳です。この馬もアイルハヴアナザー産駒ということもあり、デビュー戦から一貫してダート競走を使われてきました。この馬も毎回クラスの壁にぶち当たるタイプのようで、連勝して一線級にというわけにはいきませんでしたが、一つずつ階段を登ってきました。2020年にはダイオライト記念(JpnⅡ)でダートグレード競走での初勝利をあげ、この路線での有力馬の一頭となりました。その後は勝利を挙げることはできていませんが、昨秋のチャンピオンズカップ(GⅠ)では先行策から粘り込み、人気薄ながら3着と善戦しました。このように展開がハマれば、相手がいくら強かろうが自分の競馬で上位に食い込むことができます。これまで戦ってきた相手を考えると、今回のメンバーはそこまで強くないため、ここで一発があっても不思議ではないです。
名古屋大賞典は2022年3月10日(木)の16:25に発走予定です。割と年齢を重ねている馬たちが人気を集めそうですが、ダートは息の長い活躍ができる戦場ですし、ここを機に出世する馬が現れることを期待して、是非馬券を買って応援しましょう!