“Road to JBC”という位置付けで、11月のJBCに向けたトライアルレースながら、JpnⅠの格付けであるマイルチャンピオンシップ南部杯が10月11日(月)に開催されます。
マイルチャンピオンシップ南部杯2021の概要
タイトル | マイルチャンピオンシップ南部杯2021の見どころ |
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格付 | Jpn1 |
開催国(競馬場) | 盛岡競馬場 |
性齢 | 3歳以上 |
コース | 1600m(ダ) |
賞金 | 1着本賞金:6,000万円 |
マイルチャンピオンシップ南部杯は、JBC競走の前哨戦であり、1着馬にはJBCスプリント及び、JBCクラシックへの優先出走権が与えられます。このレースをステップに、JBCスプリントを狙う馬、またJBCクラシックを狙う馬が、共に出走することができるため、全国から強豪が出走します。
出走枠として、JRA所属馬が7頭、岩手所属馬が4頭、岩手以外の地方競馬所属馬が5頭となっています。(フルゲート16頭)
レースが開催される盛岡のダート1600mコースは、スタート地点から少しだけカーブがあるものの、ほぼ直線で約900mを走り、ワンターンで最後の直線を向きます。最後の直線は約300mとなっております。バックスストレッチ走行中は高低差1.8mの坂を登り、3、4コーナーでは4mを下り、最後の直線は高低差1.5mの坂を登るコースとなっております。最後の直線に坂があるため、逃げ・先行勢は最後の坂でバテやすいということに加え、コースの特徴的に、下りになっている3、4コーナーで加速して位置取りを上げる差し・追い込み場が有利な形態となっています。
マイルチャンピオンシップ南部杯の歴史
1988年に第一回競走が水沢競馬場のダート1600mで開催されました。当時の名称は「北日本マイルチャンピオンシップ南部杯」でした。南部杯という名前の由来は、江戸時代に盛岡藩を治めていた南部氏の名前からとったものです。
1995年からは、中央・地方全国指定交流競走に指定され、レース名も現在の「マイルチャンピオンシップ南部杯」に改名されました。
1996年からは開催競馬場が現在と同じく盛岡競馬場となり、1997年からは統一G1に格上げされました。2002年からは「Road to JBC」に指定され、優勝馬にはJBC競走への優先出走権が与えらることとなりました。実は、国内では中央、地方を通じて唯一の、トライアル競走ながらG1(現在はJpnⅠ)の格付けという珍しいレースとなっております。2007年からはグレード表記がJpnⅠに変更となりました。
2011年にはこの年に発生した東日本大震災の復興支援のため、JRAが主催しました。東京競馬場のダート1600mで開催され、売り上げの一部は支援金として拠出されました。
基本的には、スポーツの日(旧 体育の日)に開催されることになっていますが、ここ2年は東京オリンピックの関係でスポーツの日が別日に変更されたため、当レースは平日の開催となっております。
1995年の中央・地方交流重賞となってからはJRA勢が圧倒的に強く、地方馬の勝利は2002年のトーホウエンペラーまで遡ります。
マイルチャンピオンシップ南部杯2021の最新ブックメーカーオッズ
マイルチャンピオンシップ2021のオッズが発表されている、ブックメーカーの一覧になります。
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参考:netkeibaオッズ
10/8(金) 15:00現在のオッズです。
ブックメーカーのオッズがSPのため、参考までにnetkeibaのオッズを載せます。ブックメーカーでも購入は可能なので、これを参考にブックメーカーで購入されることをお勧めします。
マイルチャンピオンシップ南部杯2021の見どころ
今回の出走馬のうち、ブックメーカーのオッズの上位人気となりそうなのは、アルクトス、サンライズノヴァ、ソリストサンダー、インティ、ワイドファラオ、エアスピネルのJRA所属の6頭です。ダントツの人気を背負うわけではなく、この6頭が1桁倍代の人気を分け合うようなオッズになることが予想されます。
最上位人気候補なのは、昨年の覇者のアルクトスです。一昨年の同レースでも2着と、盛岡のマイルがとても合うのだと思われます。昨年は先行策を取りつつ、4コーナーで先頭に立ち、横綱相撲の強い競馬でした。この馬は、基本的にスタートがよく、先行できる力が強みで、調子の良い時は早い上がりを使って押し切る競馬を得意としています。デビュー当初からダートのマイル前後の距離のみを使われており、戦績としては力を出し切って1、2着を確保するか、または力を出せず、4着以下に敗れるの2パターンとなっております。また、好調時は長く継続する馬ですので、前走のさきたま杯(G2)を制した勢いもあり、今回は得意なコースということも含めて期待が持てると思われます。
続いて、サンライズノヴァについてです。この馬は一昨年の同レースの覇者であり、フェブラリーステークスでも3着に入るなど、実績は最上位です。スタートがあまり良い方ではなく、後方からのレースとなることが多いですが、上がり3ハロンは毎回爆発的な末脚を披露します。今年に入ってからはG1しか走っていないということもあり、着順は芳しくありませんが、このメンバーではやはり持っている力で圧倒する可能性は秘めています。今回、交流重賞連勝中の松山ジョキーを確保できたツキもあり、期待が持てる一戦となります。
ソリストサンダーは、5歳時(昨年)まではダートの短距離の2勝クラスで燻っていましたが、昨年の夏からダートのマイル前後の距離を使われるようになり、素質が開花しました。クラスをあげながらも安定して馬券内に入り続け、武蔵野ステークス(G3)でも2着と、強豪馬を相手に力のあるところを見せました。今年に入っても、かしわ記念(G1)でタイム差無しの2着に入るなど、将来的にG1がに手が届くのではというところまで成長してきました。前走のエルムステークス(G3)では期待を裏切り大敗してしまいましたが、好調時と比較して馬体が減っていたことが原因かと言われております。今回その体を戻して調子を取り戻せていれば、実力的には一発あっても驚きません。また、人気を落とした時にこそ走るタイプだけに、軽視は禁物と言えます。
インティは、2019年のフェブラリーステークス(G1)を制した実力馬です。以前は逃げ、もしくは2番手からの競馬しかできませんでしたが、最近は差しの競馬も覚えてきており、戦術の幅が広がっております。中央G1をも制したことがあるその足を使えれば、十分に一発の可能性を秘めています。
ワイドファラオは、3歳時からニュージーランドトロフィー(G2)、ユニコーンステークス(G3)を勝つなど、芝ダート問わず持ち前のスピードで活躍しました。その後、しばらく低迷した時期もありましたが、翌年はかしわ記念(G1)でも優勝するなど、やはり能力があるということを思わせられました。その後は再び状態が上がって来ていないですが、少しムラ駆けの傾向もある馬だけに、当日の様子なども含めて注意が必要と考えられます。
最後に、エアスピネルについてです。この馬は2歳時から芝の一線級で大活躍しておりました。G1優勝こそ叶わなかったものの、朝日杯で2着、ダービーでも4着と、世代の上位の活躍を見せていました。その後も常に安定した走りを見せるも、G1勝利には手が届きませんでした。7歳になってからダートにチャレンジすると、初戦から活躍し、8歳になって迎えた今年のフェブラリーステークスでは2着に入るなど、ダートG1でもやれるところを見せました。前走のさきたま杯(G2)で初めて地方交流戦にも出走し、2着と好走しました。8歳ではありますが、まだ衰えは見られず、十分に好走可能と思われます。
マイルチャンピオンシップ南部杯は、10月11日(月) 17:30に発走です。Jpn1だけあって、中央から豪華なメンバーが揃いました。オッズからもわかるように、大混戦が予想される面白いレースになりそうなだけに、是非馬券を買ってみたいですね!