秋華賞(GⅠ)に向けた最重要トライアルであるローズステークス(GⅡ)がまもなく開催されます。
ローズステークスの概要
タイトル | ローズステークス |
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格付 | GⅡ |
開催国(競馬場) | 中京競馬場 |
性齢 | 3歳牝馬 |
コース | 2,000m(芝) |
賞金 | 1着本賞金:5,200万円 |
ローズステークスは、3歳牝馬3冠レースの最終戦として開催される秋華賞の前哨戦として、春の2冠で活躍した有力馬と、夏に実力をつけてきた上がり馬が激突するレースです。
普段は阪神競馬場の芝1,800mで開催されていますが、京都競馬場の改修工事に伴い、現在は中京競馬場で開催されています。注意点として、距離も2,000mに変更されています。距離も競馬場も変更されていることから、あまり過去のローズステークスのデータを参考にできない状況となっています。
このレースが開催される中京競馬場芝2,000mコースの特徴は、スタンド前から発走し、コースを一周することになっています。スタートから最初のコーナーまでは314m、最後の直線は412mとそれぞれ長めです。4回コーナー部分を通ることや、最初の直線がまずまず長く先行争いが比較的緩やかであるという背景から、脚質的には逃げが強いです。また、1枠も好成績を残している傾向にあります。
ローズステークスの歴史
このレースは1983年に創設されました。当初は京都競馬場の芝2,000mで施行されていました。当時はまだ秋華賞が創設されていなかったため、エリザベス女王杯(GⅠ)に向けたトライアルでした。1995年からは地方競馬所属馬が出走可能となりました。1996年には秋華賞が新設されたため、秋華賞トライアルに変更されました。このタイミングで阪神競馬場で開催されることになりました。2009年からは外国馬も出走が可能となりました。ただし、これまで地方馬や外国馬の勝利はありません。桜花賞トライアルでは地方馬が勝利したこともありますので、いずれはそういった事例も出てはくるはずです。
このレースの主な勝ち馬には、やはりその後の秋華賞の勝ち馬が多いことが特徴です。2000年以降でも、ファインモーションやエアメサイア、ダイワスカーレットやジェンティルドンナ等の名前が挙がります。基本的には春の実績馬が勝つことが多いですが、先述のファインモーションのように、夏に力をつけてきた上がり馬がここで勝利を挙げて、秋華賞へ弾みをつけることもあります。
2020年から中京競馬場で開催されるようになってからは、本番と距離は一緒になりましたが、回りが逆ですからやや本番に直結しなくなってきてはいるようですが、まだデータが少ないので、そこまで信頼はできないと考えられます。
ローズステークスの最新ブックメーカーオッズ
ローズステークスのオッズが発表されている、ブックメーカーの一覧になります。
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ローズステークスの見どころ
ブックメーカーのオッズで上位人気が予想されるのは、アートハウス、サリエラ、メモリーレゾンの3頭です。いずれも、秋華賞に向けて良い走りをしたい馬たちです。一頭ずつ紹介していきます。
まずは最上位人気が予想されるアートハウスから紹介していきます。この馬はスクリーンヒーロー産駒です。この春のオークスには、忘れな草賞(L)を勝った勢いや、桜花賞(GⅠ)を勝利したスターズオンアースを蹴ってまで川田騎手がこの馬に騎乗したことから、2番人気に支持されました。直線でも堂々とした走りで一瞬抜け出すかと思うほどの手応えでしたが、最後は力尽きて7着と破れました。とはいえ、初めての世代のトップクラスとの戦いでも上位争いをするだけのポテンシャルを秘めていることを証明しました。川田騎手はインタビューで、桜花賞馬ではなく、こちらを選択した理由としてはアートハウスの母のパールコードから続く陣営も含めた絆とのことでした。パールコードは2016年頃に川田騎手とのコンビでGⅠ戦線で活躍しましたが、惜しくも優勝には手が届きませんでした。最も惜しかったのは2016年の秋華賞(GⅠ)で、勝ち馬ヴィブロスと0.1秒差の2着と涙を飲みました。母が逃した秋華賞に向けた前哨戦であるローズステークスですから、川田騎手も相当気合が入っていると考えられます。ここで順調に勝って、秋華賞ではスターズオンアースなどの強豪馬との対決が楽しみになるようなレースを見せてほしいところです。
次に、サリエラを紹介します。ディープインパクト産駒、牝馬の国枝厩舎、ノーザンファーム生産、馬主はシルクレーシング。さらに兄弟には朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)を勝利したサリオスなどがいるという、最高クラスのバックグラウンドを備える馬です。兄サリオスは今年の安田記念(GⅠ)でも2着に入るなど、まだまだ現役で活躍しています。姉のサラキアは引退した2020年の後半に本格化し、連勝の勢いを持って臨んだエリザベス女王杯(GⅠ)、有馬記念(GⅠ)で連続で2着になるなど、力のあるところを見せました。サリエラはそういった偉大な兄弟と比較するとまだまだの実績ではありますが、新馬戦、1勝クラスをそれぞれ勝利して、無敗で秋華賞トライアルに駒を進めてきました。今回はC.ルメール騎手とのコンビで臨む一戦です。賞金的には秋華賞の出走権利は無いため、是が非でもここで3着以内に入る必要があります。そして、本番では偉大な兄や姉が成し遂げられなかった3冠阻止の役割を担って欲しいものです。
最後に、メモリーレゾンを紹介します。こちらは先ほどのサリエラとは異なり、若手調教師、それほど有名でない馬主、生産者、兄弟も平凡といったバックグラウンドです。騎手もこれまで古川騎手と全てのレースでコンビを組んできました。この馬は前走、函館で開催された2勝クラスの一戦で、古馬を相手に1番人気に支持され、中段追走からメンバー中最速の上がり3ハロンの末脚を繰り出し、見事に差し切りました。例年、古馬相手に勝利してきた3歳の上り馬は秋のGⅠ戦線で活躍することが多いですから、この馬にも注目が集まります。春はクラシック2冠に縁がなく、まだ一流どころとの手合わせができていないだけに不安もありますが、逆にいうとここで好走できれば将来が非常に楽しみになる一頭です。
ローズステークスは2022年9月18日(日)の15:35に出走予定です。秋華賞に向けた最重要トライアルレースです。春に2冠を達成したスターズオンアースを秋華賞で倒すべく、挑戦権を得る馬はどれになるのか、馬券を勝って注目のレースを見守りましょう!