18世紀のイギリス競馬場で生まれたスポーツベッティングは、市場規模300兆円以上という巨大な産業に成長しました。
そして現在、スポーツベッティング事業へ投資し始める企業が急激に増えています。
この記事では、その背景や企業銘柄などについて解説します。
多くの企業がスポーツベッティング事業に投資し始めた背景
まず、多くの企業がスポーツベッティング事業への投資を開始した背景などについて解説します。
アメリカでオンラインギャンブル解禁の動き
アメリカといえば、ラスベガスのようにギャンブルが合法化されているイメージがあります。しかし、オンラインギャンブル黎明期の2006年に『オンラインギャンブル禁止法』ができて、現在はスポーツベッティングやオンラインカジノ、ポーカーなどを行うことができません。
しかし、2018年に米連邦最高裁判所が「スポーツベッティングを禁止する法律が違憲である」という判決を下したことで、州単位では規制緩和を行うことが可能になりました。
税収増と非合法マーケットへのマネー流出阻止
元々、税収難に苦しんでいる州からは、新たな財源としてオンラインギャンブルの解禁を望む声が大きかったのも事実です。それに加えて、アメリカ国内で海外のブックメーカーを利用している人が多いため資金が流出していることを懸念する声が高まっていました。
さらに、ジョー・バイデン大統領がオンラインゲーム・ギャンブル合法化への支持を表明していることで、正式な合法化の時期が早まるものと予測されています。
コロナ禍で打撃を受けたカジノ業界がスポーツベッティングへ参入
2020年のコロナ禍によるロックダウン、旅行客の激減によって、ラスベガスなどでランドカジノを運営している企業、エンターテインメント業界は大きな打撃を受け、現在も厳しい状況が続いています。
そのような中で、新たな動きとしてオンラインカジノ、スポーツベッティングへ参入したり、スポーツベッティング事業へ投資する企業が増えているのです。
スポーツベッティング事業に関する世界の企業銘柄
次に、スポーツベッティング市場への参入を発表、計画している海外の企業銘柄を紹介します。
DraftKings(ドラフト・キングス)
企業名 | DraftKings(ドラフト・キングス)・DKINGS |
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企業URL | https://www.draftkings.com/ |
企業業種 | デジタルスポーツエンターテインメント・ゲーム運営 |
2012年にボストンで設立された新興企業です。オンラインカジノやスポーツベッティング以外に、仮想スポーツ(ファンタジースポーツ)市場において、アメリカで独占市場といってもいいぐらいのシェアを占めています。
また、NFLのニューヨークジャイアンツと独占契約、アメリカの人気ケーブルスポーツチャンネル「ESPN」と提携など、積極的にスポーツ、スポーツベッティング事業を拡大しています。
Penn National Gaming, Inc. (ペン・ナショナル・ゲーミング)
Penn National Gaming, Inc. (ペン・ナショナル・ゲーミング) | Penn National Gaming, Inc. (ペン・ナショナル・ゲーミング) |
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企業URL | https://www.pngaming.com/ |
企業業種 | リアルカジノ運営、競馬場運営 |
ペンシルバニア州に本社を構え、米国16州・カナダで40以上のランドカジノを運営しています。
2020年9月にバースツール・スポーツ・ブックというアプリをリリースし、順調にダウンロード数を伸ばしています。
Caesars Entertainment, Inc. (シーザーズ・エンターテイメント)
企業名 | Caesars Entertainment, Inc. (シーザーズ・エンターテイメント) |
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企業URL | https://www.caesars.com/ |
企業業種 | ホテル、リアルカジノ運営 |
ネバダ州に本社を置き、ラスベガスなど全米各地でカジノホテルを運営しています。2020年9月に、英国最大のブックメーカーであるウィリアムヒルを3700万ドル(約3900億円)で買収することが発表され、大きな話題を呼びました。
fuboTV Inc (フボ・TV)
企業名 | fuboTV Inc (フボ・TV) |
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企業URL | https://www.fubo.tv/ |
企業業種 | ストリーミング配信サービス |
ニューヨークに本社を置き、NFL、MLB、NBA、NHL、MLS、国際サッカーなどのストリーミング配信に加え、ニュースや映画なども配信しているデジタルエンターテインメント会社です。2020年3月時点で、有料会員数は45万を超えています。
また、2020年にはスポーツベッティング市場への参入を計画していることが発表されました。
スポーツベッティング事業に関する日本の企業銘柄
日本でも、スポーツベッティング事業への参入を計画、発表したり、すでにサービスを開始している企業もあります。
株式会社ミクシィ
企業名 | 株式会社ミクシィ |
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企業URL | https://sns.mixi.co.jp/ |
企業業種 |
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ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の草分けであるmixiを運営。その他にも人気RPGの「モンスターストライク」、モンストのeスポーツアプリ「モンスターストライク スタジアム」などのサービスを展開しています。
2020年6月に、競輪のリアルタイム中継を観ながら車券の購入ができる新サービス『TIPSTAR(ティップスター)』をリリースし、スポーツベッティングサービスへ参入しました。
ティップスターでは、車券を購入するだけでなく、無料でベットすることもでき、的中するとガチャポイントを獲得できます。
一般的なライブ配信アプリとmixiが得意とするスマホゲームを組み合わせたような構成になっています。
ソフトバンクグループ株式会社
企業名 | ソフトバンクグループ株式会社 |
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企業URL | https://group.softbank/ |
企業業種 |
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ソフトバンクグループでは、子会社のオッズ・パーク株式会社が公営競技総合サービスサイトの「オッズパーク」を運営しています。
オッズパークでは、競馬、競輪、オートーレース、LOTOを購入できます。AI予想機能、年間の利用状況によって様々な優待サービスや特典を利用できるオッズパーク・プレミアム・プログラムなどが人気です。
株式会社サイバーエージェント
企業名 | 株式会社サイバーエージェント |
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企業URL | https://www.cyberagent.co.jp/ |
企業業種 |
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様々なオンライン事業を手がけているサイバーエージェントですが、スポーツベッティング事業では、子会社の株式会社WinTicketが競輪・オートレースのインターネット投票サービス「ウィンチケット」を運営しています。
https://www.winticket.jp/
ウィンチケットはスマホから簡単に投票できる上に、11種類のオリジナルデータ解析機能、回収率の高いユーザーのレース予想やコメントが閲覧可能、Tポイントとの提携など魅力的なサービスを展開しています。
楽天グループ
企業名 | 楽天グループ株式会社 |
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企業URL | https://corp.rakuten.co.jp/ |
企業業種 |
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プロ野球、Jリーグにも進出している楽天グループは、競輪(Kドリームス)、地方競馬(楽天競馬)事業も行っています。
https://keiba.rakuten.co.jp/
インターネットマーケティングのノウハウを使った様々なスポーツ事業への取り組みが成功を収めており、今後も新たなスポーツベッティング事業への投資が予想されています。
ジャングル
企業名 | ジャングルX株式会社 |
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企業URL | https://jungle.xyz/ |
企業業種 |
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ジャングルX株式会社は、日本人の直江文忠氏が英国で立ち上げたスポーツベッティング事業を行っている会社です。様々なスポーツを年間10000試合以上も無料で視聴できるスマホアプリの「eジャングル」は、世界中でダウンロードされています。
https://junglejp.xyz/
また、2021年3月には試合展開や状況に合わせた最適なタイミングで、適切なベッティングを行う「インプレイベッティング」の特許を取得しました。さらに、最適なタイミングで適切な広告を提供する世界初の特許「インプレイアド」も取得し、業界の注目を集めています。
スポーツベッティング事業に関する企業銘柄のまとめ
今回は、スポーツベッティング事業への投資の背景と企業銘柄を紹介しました。