ブックメーカーで投資をする際に重要なのがオッズです。競馬などの公営ギャンブルでよく耳にする言葉ですが、ブックメーカーとオッズは切っても切り離せない存在です。
オッズとは、一言でいうと「賭けた金額が何倍になるかを表した数字」ということです。オッズの数字が高ければ高いほど、戻ってくる金額は多くなりますが、当たる確率は低くなり、オッズが低ければ、戻ってくるお金も少ないですが、その分当たる確率も高くなります。
戻ってくるお金 | 当たる確率 | |
オッズが高い | 高い | 低い |
オッズが低い | 低い | 高い |
オッズは倍率を意味しているため、なるべく高いオッズで的中することが利益を出す近道となります。
ところが、ブックメーカーのオッズがどのように決定されているか、仕組みを知っている人は多くないでしょう。
じゃあ、今回はブックメーカーのオッズの決め方について勉強してみよ!
そこでこの記事では、ブックメーカーのオッズの仕組みや見方、種類について詳しく解説しています。
ブックメーカーのオッズ種類と見方一覧
ブックメーカーのオッズを初めて見た時に、よくわからないと戸惑った経験がある人もいるでしょう。特に分数で表示されているオッズであれば、馴染みが薄くオッズが高いか低いかの判別がつかない人が多いです。
ブックメーカーは世界中で行われているので、オッズの表示方法も複数あります。そこで、主要なオッズ表示方法についてまとめました。
デシマル | 賭け金を含んだ払戻オッズを表示 日本の公営ギャンブルで採用されている方式 |
---|---|
香港 | 賭け金を含まない払戻オッズを表示 |
アメリカン | フェイバリット(オッズが低い側)が「−」表記、アンダードッグ(オッズが高い側)が「+」表記 「−」表記はオッズの数字を賭けると的中時100になる 「+」表記は100を賭けると的中時に表示オッズが払い戻される |
インドネシア (インド表記) |
アメリカンと同じ方式だが、単位は100ではなく1となっている |
マレーシア (マレー表記) |
インドネシア式と表示が反対の方式 「+」表記がフェイバリット、「−」表記がアンダードッグ 単位はインドネシアと同じく「1」 |
フラクショナル | 分数表示のオッズ 表示されているオッズには賭け金は含まれていない |
特に多いのが、デシマル・アメリカン・フラクショナルの3種類です。
他の表示方法は参考程度に覚えておきましょう。
オッズ表示方法を変えたい場合は、各サイトのトップ画面またはマイページから変更できるケースがほとんどです。
ブックメーカーのオッズは専門家が決める
ブックメーカーでは、最初にオッズを設定する際、両者へほどよくベットが分散されるようなオッズを提示します。
もちろん、適当にオッズをつけているわけではありません。
ブックメーカーのオッズは、トレーダーやオッズコンパイラと呼ばれる専門家が設定しています。
設定の際は、以下の資料を参考していると言われています。
- 過去の統計データ
- ベットの傾向
過去の統計データは対戦成績や直近の成績などのこと、ベットの傾向は実際にどのようにベットされているかの傾向です。
- 両選手の直近の成績・コンディション
- 試合が行われるコート(芝・クレー・ハード)での過去と直近の成績
- 試合が行われる国での成績
- 両選手の過去の対戦成績
- 過去の対戦時のオッズと結果
- 両選手の人気
ブックメーカーにはビッグデータといわれる、膨大な量の過去の統計が蓄積されているので、ビッグデータを元にバランスの取れたオッズを弾き出します。
なお、オッズ設定の際にはブックメーカー側が利益を確保する必要があるため、一定割合が控除されるようになっています。
日本の公営ギャンブルのオッズの違い
日本の競馬など公営ギャンブルはパリミチュエル方式と呼ばれるシステムを採用しています。
パリミチュエル方式とは、全ての購入額を胴元に一旦集めて一定割合を胴元が差し引いた残り分を的中者に分配する方式のことです。
どんな結果になろうが、胴元は絶対に利益が出るシステムです。日本の公営ギャンブルは平均すると25%程度を控除しています。
その点、ブックメーカー方式は勝敗が決まる前から配当(オッズ)が確定します。
賭ける時点ですでにブックメーカーの設定した配当率が発表されているため、ブックメーカー側が損をすることがあります。
岡崎慎司選手が所属するレスターシティの優勝を予測するブックメーカーのオッズは5001倍でした。
レスターシティはプレミアリーグへ昇格した直後であり、また前年の成績は20チーム中14位で降格の危機にあったため、誰もが「優勝するはずがない」と考えていたのです。
ところが、蓋を開けてみれば世紀の番狂わせ。
ウィリアムヒルはじめ5001倍のオッズを付けた大手ブックメーカー3社は、計770万ポンド(約10億円)の損失を被ったと言われています。
ブックメーカーのオッズ(賭け方)は多様|サッカーの賭け方を紹介
ブックメーカーのオッズは勝敗予想だけに限りません。特にサッカーは多様な賭け方ができるため、従来からあるサッカーくじ(toto)よりも細かい予想が可能です。
賭け方 | 説明 |
---|---|
1×2 | 引き分けを含めた3択の勝敗予想 |
ダブルチャンス | 1×2から2つを選べる予想 |
ドロー・ノー・ベット (引き分け返金) |
引き分け時は返金になる勝敗予想 |
アジアンハンディキャップ | ハンデをつけた2択の勝敗予想 |
ヨーロピアンハンディキャップ | 引き分けありの3択のハンデ予想 |
ゴールライン (合計得点オーバー/アンダー) |
両チームの合計得点が基準値より上か下かの予想 |
コーナーキック | コーナーキックの合計本数やどちらのチームが多いかの予想 |
カード提示 | カードの合計枚数や提示されるプレーヤーの予想 |
コレクトスコア (最終スコア) |
試合終了時のスコアの予想 |
クリーンシート | 該当チームが失点しないかの予想 |
プレーヤープロップ | 選手1人ごとの予想 得点者予想やアシスト予想など |
紹介したのは一例なので、この他にもたくさんの賭け方があります。
ブックメーカーのオッズは比較が重要
ブックメーカーのオッズは、比較するとより高いオッズで賭けることが可能です。比較方法としては、以下の2つがあります。
- サイトで比較
- 賭け方で比較
サイトで比較
同じ項目でも、サイトごとでオッズは異なります。
同じ試合のMLBのマネーラインオッズを比べてみましょう。
bet365のオッズがこちらです。
ウィリアムヒル(William Hill)のオッズはこちらです。
エンゼルスの勝利に賭けるならウィリアムヒルが、オリオールズの勝利に賭けるならbet365がお得であることがわかります。
チーム | bet365 | ウィリアムヒル |
---|---|---|
エンゼルス | 1.83 | 1.91 |
オリオールズ | 2.00 | 1.91 |
オッズ比較サイトを活用する
ただし、オッズ確認のために1つずつサイトを巡回するのは面倒です。そこで、オッズ比較が一目でわかるサイト「オッズポータル」を活用しましょう。
主要ブックメーカーのオッズを一覧で表示してくれるので、最もオッズが高いサイトを瞬時に判断できます。
ブックメーカーオッズを活用しやすい海外競馬
ブックメーカー同士の比較ではないですが、日本馬が出走してJRAでの馬券販売がある海外競馬は、オッズの乖離が生まれやすいです。
2022年のプリンスオブウェールズステークスを例にあげましょう。
出走1時間前時点でのbet365の単勝・複勝オッズは以下の通りです。
一方で、JRAオッズは以下のようになっていました。
単勝オッズをまとめると次のようになります。
馬名 | bet365 | JRA |
---|---|---|
ベイブリッジ | 2.00 | 2.4 |
ロードノース | 7.00 | 4.1 |
シャフリヤール (日本馬) |
5.00 | 2.7 |
ステートオブレスト | 8.00 | 6.7 |
グランドグローリー | 13.00 | 12.6 |
日本馬のシャフリヤールは応援の意味もあってか、JRAオッズでは人気になっています。その分、このレースの本命になっているベイブリッジはJRAオッズの方が高いです。
つまり、以下のように使い分ければ有利なオッズで買うことができます。
海外馬→JRAオッズで購入
日本馬→ブックメーカーで購入
賭け方で比較
同じサイトであっても、同じ意味合いを持つ賭け方でオッズが異なる場合があります。
例として、Pinnacle(ピナクル)で同じ試合の「ドロー・ノー・ベット」オッズと「アジアンハンデ0」の試合前オッズを見比べてみましょう。
ドロー・ノー・ベットのオッズがこちらです。
一方で「0」ハンデのオッズはこちらです。
試合前なので賭けの条件としては同じですが、オッズは0ハンデの方が高くなっています。
このように同じ意味を持つ賭け方が複数ある場合には、賭け方ごとでオッズを比較して高いオッズで賭けると良いでしょう。
ブックメーカーにはオッズをあげられるブースト機能がある
一部のブックメーカーでは、オッズを上げられる「ブースト」と呼ばれる機能があります。
上記はbet365のブースト画像です。通常時よりもオッズが上がっていることがわかります。
オッズをブーストするには複数組み合わせて賭ける
複数のオッズを組み合わせて賭けることで、オッズにブーストがかかり、通常よりも高い配当になることがあります。これをマルチベットと言います。
ブーストの条件はブックメーカーごとで異なりますが、うまく活用することで通常オッズよりも高いオッズでベットすることが可能です。
主要ブックメーカーのブースト機能比較
ブースト機能を持つ主要ブックメーカーは、bet365・ウィリアムヒル(William Hill)・スポーツベットアイオー(Sportsbet.io)の3社です。
それぞれのブースト機能の特徴をまとめました。
ブックメーカー | 使用回数 | ライブベット | 特徴 |
---|---|---|---|
bet365 | 制限なし | 不可 | bet365側が指定したオッズのみで使用可能 オッズを大幅に上げるスーパーブースト機能あり |
ウィリアムヒル (William Hill) |
1日1回 | 可能 | 3つ以上のマルチベットでのみ使用可能 |
スポーツベットアイオー (Sportsbet.io) |
各スポーツで1日1回 | 可能 | シングルベットでのみ使用可能 |
使いやすいのはスポーツベットアイオーです。自分でブースト機能を使うオッズを選択できる上、各スポーツで1日1回使えます。いろいろなスポーツに賭けている人なら、1日に何回も使うこともできるでしょう。
bet365は、オッズ指定はできませんが回数制限がないのが魅力。賭けたいオッズがブースト対象なら積極的に使えます。
2022年7月からスーパーブーストという機能が追加されました。オッズが大幅に上がるブースト機能となっています。
ブックメーカーのオッズの見極める3つポイント
ブックメーカーのオッズは、単なる勝敗予想ということではありません。オッズが良いからと言って必ずしも勝てることではありません。ブックメーカーのオッズをみる上で大切な点を3つ紹介します。
オッズだけで判断しない
ブックメーカーで賭ける時に大切なことは、オッズで判断しないということでしょう。
ブックメーカーが提示したオッズは、必ずしも両者の勝率を表したものではありません。
「この数値なら、どちらにもベットが散らばるだろう。」と考えて付けられたものです。もちろん、オッズの低い方が勝ちやすい傾向はありますが、過信しないようにしましょう。
例えば、以下のようなオッズがあります。
これはテニスのトータルゲーム数のオッズで「オーバー6.5」というのは的中しやすいオッズとして有名です。事実としてオッズも1.004倍という超低オッズです。
ただし100%当たるわけではありません。オッズが低いからといって精査をせずに賭けると、いずれハズレを引くでしょう。
オッズだけで賭けることなく、自分自身の基準で賭けられると判断した時だけベットするようにしてください。
オッズの穴を見つける
ブックメーカーは膨大なデータを元に、ベットが平均的に散らばるようなオッズを提示しますが、スポーツは人間が行うものなので、予想のつかない展開になることがしばしば起こります。
たとえば、A選手の事前オッズは2.5倍だったのに、どんどんオッズが下がり1.8倍になっていた。
このような時は、相手選手が怪我をしたり、何らかの原因が起こった可能性があります。
試合を予想するときには、オッズの変動率の大きさにも注意すると、美味しいオッズに賭けられる場合があります。
還元率の高いブックメーカーを選ぶ
同じ時間に同じ選手(チーム)に賭けても、ブックメーカーによってオッズが異なります。
たった0.1倍の差でも、賭けの回数が増えるにつれて収支の差が大きくなっていきます。
ブックメーカーを選ぶ際の判断基準には、必ずオッズの高いところを選ぶようにしましょう。
オッズ還元率が高いブックメーカー3選
ここからは、高オッズを提供しているブックメーカーを3つ厳選して、ランキング形式で紹介します。
Pinnacle(ピナクル)
創業以来、「ウィナーを歓迎」という姿勢を打ち出しており、専業プロや上級者なら絶対に外せないブックメーカーといえます。
オッズだけでなく、業界一のベット上限に加えて、一般的なブックメーカーでは禁止されているアービトラージも認めているのが特徴です。
たとえば、サッカーで○チームと△チームの対戦に賭けるとします。
Aブックメーカーでは、○チームのオッズが2.5倍で△チームのオッズが1.5倍
Bブックメーカーでは、○チームのオッズが1.5倍で△チームのオッズが2.5倍
この場合、Aブックメーカーで○チーム、Bブックメーカーで△チームに100ドルずつ賭けたとします。
すると、賭けた金額の合計が200ドルで、どちらが勝っても250ドルが払い戻されるから100%利益が出ますよね。
これをアービトラージといいます。実際に、これほどはっきりとオッズに差がでることはまれですが、ブックメーカーを専業にしている人の中にはアービトラージを使っている人がいるのも事実です。
使うなら、ピナクルのように公認しているところを選ぶようにしましょう。
しかし、ピナクルではこのような制限は一切ありません。
また、他のブックメーカーと比較すると、ベット額・出金額の上限ともに高めに設定されているのもメリットです。
ライブベットの数は少なめなので、事前ベットがおすすめです。
データを調べたりじっくり予想を立てながら賭けたい人なら、ピナクルの高オッズ・高還元率は魅力的ですよ!
1xbet(ワンバイベット)
ピナクルに負けないほどの高オッズには定評があり、サイトのデザインも見やすく工夫されています。
1xbetは小分けに何回も入金するよりは、最初に12,300円を入金した方が得だといえるね。
残念ながら延期になってしまったけど、ユーロ2020決勝戦の観戦チケットがあたるイベントもありました。
1xbetのプロモーションボーナスについては、こちらの記事をご覧ください。
特に仮想通貨を使えば、スピーディーに入出金できるので僕はビットコインをメインで使ってます。
Marathon Bet(マラソンベット)
マラソンベットは、日本語に対応していないので、初心者の人が最初に使うブックメーカーとしては難易度が少し高め。
逆に、ある程度ブックメーカーに慣れている人にはおすすめですよ。
こちらの画像をご覧ください。
上で紹介したピナクルや1xbetより高オッズを提供していることもよくあるので、見逃せません。
他のブックメーカーの平均的なオッズより大幅に高いときがあるので、僕が事前ベットする時には、必ずマラソンベットもチェックしています。
思わぬお宝オッズをゲットできるかもしれませんよ。
面白い点は、メジャースポーツ以外に日本の大相撲にも賭けられることかな。
相撲は日本で賭けたら犯罪になりますが、国際ライセンスを取得して合法的に運営しているブックメーカーなら、安心して賭けられますね。
ちょっと心配なのは、日本語表示されてない点かなぁ。
入出金とか難しそうだし。
仮想通貨(ビットコイン、イーサリアムなど)も使えるから、スピーディーな決済が可能です。
ブックメーカーのオッズまとめ
今回は、ブックメーカーのオッズについて解説しました。改めて以下にまとめています。
- ブックメーカーのオッズは、専門家が統計データなどをもとに設定
- ブックメーカーオッズの見方はさまざまだが、日本育ちならデシマルオッズが見やすい
- ブックメーカーオッズは比較することで高いオッズを選べる
- 一部のブックメーカーにはオッズが上がるブースト機能がある
- オッズだけで賭けるのは危険
ブックメーカーのオッズの決め方や変動の仕組みを見て、勘のいい人なら気付いたと思いますが、ブックメーカーのオッズと勝率とは必ずしも一致しません。
最初に提示したオッズは、購入されたベット額の合計によって常に変動します。
ブックメーカーは、どちらか一方へ賭けが集中するのではなく、適切なバランスで両者へ賭けが散らばるようなオッズを付けていますから、予想するときは単純にオッズの高い低いだけで勝敗を判断しないようにしましょう。
仕組みを知っておけば、うまく活用できますよ。