1着馬にヴィクトリアマイル(GⅠ)の優先出走権が付与される、阪神牝馬ステークス(GⅡ)がまもなく開催されます。
阪神牝馬ステークスの概要
タイトル | 阪神牝馬ステークス |
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格付 | GⅡ |
開催国(競馬場) | 阪神競馬場 |
性齢 | 4歳以上牝馬 |
コース | 1,600m(芝) |
賞金 | 1着本賞金:5,500万円 |
阪神牝馬ステークスは、阪神競馬場芝1,600mコースにおいて、4歳以上の牝馬によって争われます。JRA所属馬以外にも、地方馬、海外馬の出走が可能となっています。
このレースが行われる阪神芝1,600mコースの特徴を説明します。桜花賞や阪神JF、朝日杯FSなどのGⅠレースも開催されるコースです。このコースは、クラスが上がると強い馬、それも差しや追い込み馬が勝ちやすいコースです。スタートしてから最初のコーナーまでが444mもあるため、あまり枠による有利不利は大きくないです。どこの枠でも、先手を取ろうと思えば取ることが可能です。そこからは外回りコースのため、ゆったりとコーナーを回り、最後の直線も473mと十分な長さがあります。ゴールまで残り約200mの地点からは急激な上り坂になっており、逃げ・先行馬はバテやすく、差しや追い込みが決まりやすいコースになっています。特にペースが速くなりやすい重賞では、この傾向が顕著です。最後の直線も長いため、差し馬は外に回すことが多く、前が詰まって万事休すといったことが少ないのも、こういった傾向が出ている要因の一つと考えられます。基本的には実力のある馬で、差し・追い込み脚質で、上り坂でもしっかり加速して力強く走れるような馬が狙い目となっています。
阪神牝馬ステークスの歴史
このレースは、1958年に創設された歴史あるレースです。当初のレース名は阪神牝馬特別で、距離も1,800mで行われていました。1984年からはGⅢに格付けされ、1994年からはGⅡに格上げされました。1996年からは地方馬が、2006年からは外国馬の出走も可能となりました。2014年からは優勝馬にヴィクトリアマイルの優先出走権が付与されることとなりました。2006年から2015年までは施行距離が1,400mであったこともあり、どちらかというとスプリント色のある馬が勝つことが多かったですが、2016年からは現在と同じく1,600mでの施行に変更され、マイル以上の距離で強さを発揮する馬が勝つようになり、本番のヴィクトリアマイルに直結しやすくなりました。まだ、このレースとヴィクトリアマイルを連勝した馬はいませんが、2020年の勝ち馬のサウンドキアラは、次走のヴィクトリアマイルでも2着に入る活躍を見せました。
阪神牝馬ステークスの最新ブックメーカーオッズ
阪神牝馬ステークスのオッズが発表されている、ブックメーカーの一覧になります。
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阪神牝馬ステークスの見どころ
ブックメーカーのオッズで上位人気が予想されるのは、アカイトリムスメ、デゼル、アンドヴァラナウトの3頭です。
まずは最上位人気が予想されるアカイトリノムスメから紹介します。昨年の秋華賞を制した良血の4歳馬です。金子オーナーがリアルダビスタをやっている馬で、父も母も、母父も母母も自己所有馬だったという馬です。それでいて同世代にソダシという白毛のアイドルホースも所有しながらこの馬も同じくクラシックを戦い、牝馬3冠の最後の1冠を制するまでに成長した馬です。個人馬主でここまでの馬質は、その相馬眼に感服です。さて、この馬はデビュー戦こそ敗れましたが、その後は3連勝してクラシック戦線に殴り込みました。桜花賞では先行して4着に入る善戦をし、オークスでは並み居る競合を相手に2着と健闘しました。迎えた秋のGⅠ戦線では、秋華賞で見事にGⅠ初制覇を達成しました。先行策から完璧な横綱相撲でした。しかし、続くエリザベス女王杯では古馬の壁にはね返されて残念ながら7着と破れてしまいました。秋2戦目でしたし馬体も増やして臨んだ一戦だけに、敗因は定かではありませんが、まだ力がつききっていなかったということなのでしょうか。その後は休養し、今年の始動戦がこのレースです。1,600mでは3勝を挙げており、最も得意な距離とも言えます。ヴィクトリアマイルに向けて叩きの一戦だけにコンディション面がどうかという点は気になりますが、実績的にはここでは圧勝しても不思議ではありません。
次に、昨年の覇者のデゼルを紹介します。この馬はデビュー戦とオークストライアルを連勝してクラシック戦線でも注目を集め、オークスでも2番人気と支持されましたが、さすがにキャリアの浅さを露呈し、11着と敗れてしました。その後は条件戦から地道に挑戦し、満を持して臨んだ昨年のこのレースで嬉しい重賞初勝利を挙げました。一方で、その後は芳しい成績を挙げることが出来ずに、低迷して周囲を心配させました。それでも今年の始動戦の愛知杯(GⅢ)でタイム差無しの3着に入線し、復活をアピールしました。この馬の武器はラスト3ハロンの末脚です。道中は中段後方からレースを進めることが多いのですが、最後の直線では驚異的な末脚を発揮します。今回、阪神1,600mコースということで直線も長いですし、自慢の末脚が発揮しやすいコースで、活躍が期待されます。
続いて、アンドヴァラナウトを紹介します。安定感のある走りが光る4歳馬です。デビュー戦からほぼ3着以内の走りをする安定感を武器に、昨秋の秋華賞トライアルのローズステークス(GⅡ)で見事重賞初勝利を挙げると、続く秋華賞でも1着から0.2秒差の3着に入り、世代のトップレベルの実力を保有していることを見せつけました。飛躍が期待された今年の始動戦の愛知杯(GⅢ)では、その実績も考慮され1番人気に支持されましたが、残念ながら力を発揮することが出来ずに11着と大敗してしまいました。この馬の強みは毎回良いスタートを切り、どの枠からでも安定して先行できる点です。今回、少し間隔を空けたレースで、どれだけ好調時の状態に戻してこれているかが肝となります。実績や実力的にはここでも優勝してもおかしくないポテンシャルの持ち主であることは確かです。状態面で問題がないと判断できれば、購入されても良いかと考えられます。
阪神牝馬ステークスは、2022年4月9日(土)の15:35に発走予定です。以前の1,400mでの開催から、1,600mに距離延長されてからは古馬牝馬のGⅠ路線で大活躍する馬が勝利を挙げることが多い注目のレースです。この春に行われるヴィクトリアマイルに続く熱き女の戦いを、馬券を買って観戦しましょう!