高知競馬場で唯一のダートグレード競走である黒船賞が、まもなく開催されます。
黒船賞の概要
タイトル | 黒船賞 |
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格付 | JpnⅢ |
開催国(競馬場) | 高知競馬場 |
性齢 | 4歳以上 |
コース | 1,400m(ダ) |
賞金 | 1着本賞金:2,600万円 |
競馬ファンの皆様であれば、黒船賞の由来は、ダート競馬で衝撃的なインパクトを残したクロフネ号からとったのでは?とお考えの方が多いかと思います。しかし実際は、開催地である高知県に由来する土佐藩出身の坂本龍馬の運命を変えたとされる”黒船”から取られています。
出走枠としては、フルゲート12頭で、4歳以上の馬のうち、地方競馬所属馬が7頭(そのうち高知地区所属馬は3頭いない)、JRA所属馬は5頭までと定められています。
このレースが行われる高知競馬場ダート1,400mコースの特徴を紹介します。スタートから最初のコーナーまでが330mと、地方競馬場のコースにしては長めであり、そこまで先行争いが激しくなることはありません。また、最後の直線が200mととても短いため、逃げ・先行馬がとても有利なコースとなっています。実際、昨年も勝馬のテイエムサウスダンは、2番手追走から先手を奪う戦法で、8馬身差の圧勝を決めました。掲示板に載った5着までの馬は、全て5番手以内で競馬をしていた馬であったことからも先行有利であることが理解できます。一方で、このコースは、1、2コーナーに比べて3、4コーナーが緩いカーブの形状に作られており、力がある差し・追い込み馬であれば、3コーナーあたりから仕掛けていくことでスピードに乗って差し切ることが可能となっています。
また、血統としては、ゴールドアリュールやサウスヴィグラス、ジャングルポケット産駒の成績が良いです。
黒船賞の歴史
このレースの歴史は浅く、1998年に創立されたばかりです。以降、何度か中止されることもありましたが、当初から一貫して高知競馬場のダート1,400mで開催されています。
創設当時から地方、中央の交流重賞競走でしたが、初回は高知地区所属のリバーセキトバが勝利を収めました。その後は連続してJRA所属馬が勝利していましたが、2018年のみ、兵庫地区所属のエイシンヴァラーが勝利しました。この時の単勝の払い戻しは23,430円と、大波乱の決着でした。
このレースの歴代優勝馬には、GⅠを制したノボジャックや、サウスヴィグラス、マイネルセレクト、ブルーコンコルド、スーニ等名馬の名前が挙がります。歴史が短いながらも連覇を果たす馬もおり、2012年〜2014年3連覇ののセイクリムズンや、2015年、2016年に連覇を果たしたダノンレジェンドの名前が挙がります。
黒船賞の最新ブックメーカーオッズ
黒船賞のオッズが発表されている、ブックメーカーの一覧になります。
bet365
スポーツベットアイオー
ウィリアムヒル
1Xbet
参考:netkeibaオッズ
3/13(火) 15:00現在のオッズです。
ブックメーカーのオッズがSPのため、参考までにnetkeibaのオッズを載せます。ブックメーカーでも購入は可能なので、これを参考にブックメーカーで購入されることをお勧めします。
黒船賞の見どころ
ブックメーカーのオッズで上位人気が予想されるのは、ヘリオス、ラプタス、ピンシャン、サクセスエナジーのJRA勢4頭です。地元高知地区組をはじめとした地方競馬所属勢にとっては例年通り、厳しい戦いが予想されます。
まずは、ヘリオスを紹介します。ここのところメキメキ力をつけてきている6歳馬です。オルフェーヴル産駒ということもあり、デビュー時は芝競馬を使われていました。未勝利を勝ち上がるまでは早かったのですが、そこから長く伸び悩んだこともあり、ダート路線への挑戦となりました。芝ではどちらかというと長めの距離を使われていましたが、ダート路線に転向してからは主に短距離で使われるようになりました。ダート適性は高かったようで、すぐにオープンクラスの一戦でも勝利を挙げました。さすがに、昨年挑戦したフェブラリーステークス(GⅠ)では格の違いもあり、最下位の16着に敗れてしまいましたが、そこから立て直し、昨年の秋は再びオープン戦を連勝しました。今年に入り、前走の根岸ステークス(GⅢ)では僅差の2着に入るなど、充実しています。この馬の強みはよいスタートダッシュを決め、素早く先手を取れる点です。ペースが遅いと見るや逃げの手に出ることもあれば、2番手でも折り合ってレースを進められるので、ペースに応じて戦法を変えられる点も強みです。前走に引き続き、武豊騎手とのコンビ継続もプラスに働きそうですし、ここでは勝利に最も近い馬と言えるでしょう。
続いて、一昨年のこのレースの覇者であるラプたすを紹介します。既に中央・地方交流のダートグレード競走で4勝を挙げる実績の持ち主です。勝率も高い馬でこれまで19回レースに出走し、9回勝利を挙げています。デビュー時こそ、芝の中距離を使われていましたが、芝の適性がイマイチと判明すると、4戦目からはダート路線に転向しました。未勝利から4連勝でオープン入りすると、オープン戦では敗れましたが、その後に挑んだ一昨年の黒船賞で優勝し、素質が開花しました。その後は中央でも地方でも、ダートの1,400mの競走を中心に使われ、何度も勝利を挙げて来ました。この馬はレースでは逃げの手に出ることが多いのですが、時折中断からの競馬をすることもあり、展開に応じて戦法を決めるようです。ただし、勝利を挙げているレースのほとんどは逃げ切りとなっているため、勝利のためには逃げることが最善と考えられます。馬券を買う場合は、このレースの展開でこの馬が逃げることができるかを検討してみるのが良さそうです。
次に、ピンシャンを紹介します。昨年本格化したダート短距離路線の新星の1頭です。デビュー時は芝スプリント路線を使われていましたが、芝競馬では勝ち上がれないと判断されたか、ダート路線に転向しました。そこからも一気にクラスを駆け上がることはできませんでしたが、地道にクラスを上げていきました。時間はかかりましたが、ようやく昨年4歳にしてオープン入りすると、オープンクラスの1戦でも勝利を挙げました。その後はアメリカ遠征でも経験を積み、今年の初戦のリステッド競走でも勝利を挙げました。交流重賞は初の挑戦となりますが、中央のリステッド競走を勝利していれば十分に力量的には足りると考えられるため、要注目の一頭です。地方競馬場のダートが合うかどうかというところが鍵です。
最後に、サクセスエナジーを紹介します。交流重賞6勝の実績を持つ 8歳の古豪です。この馬の特徴は逃げの手に出ることもあれば、後方からレースを進めることもあるという自在性です。ここ最近は後ろからレースを進めている時の方が良い成績が出ているようです。末脚は確かなものを持っているだけに、展開次第ではありますが、前が崩れるような展開になれば、力は確かなだけに、まとめて差し切りということも大いにあり得ます。
黒船賞は、2022年3月16日(水)の16:45に発走予定です。昨年の勝ち馬のテイエムサウスダンは今年のフェブラリーステークスで2着に入る馬に成長しました。今年もそんな未来のスターが誕生するかもしれません。是非馬券を買って応援しましょう!